綾瀬はるか(30)が主演女優賞に輝いた。14年10月期の日本テレビ系「きょうは会社休みます。」で、恋愛経験ゼロのまま30歳を迎えた女性の初々しい恋愛模様を好演した。女性から圧倒的な支持を集め、初受賞となった。
綾瀬は自分の名が刻まれたトロフィーを「取ったどぉ~!」とおどけた。「ドクターX~外科医・大門未知子~」の米倉涼子との一騎打ちを制した。初の主演女優賞。「ベスト・アクトレス!」と、うれしそうに連呼した。
異色キャラクターを演じた。交際経験がないまま20代を終える超奥手のOL役。福士蒼汰演じる初めての恋人に対し疑心暗鬼になったり、変に遠慮したりする「こじらせ女子」をコミカルに演じた。「友達にも、自信がないがゆえ、相手の言葉を疑ってしまったりする子がいます」。ただ、役作りの参考にはせず「自分だったらどうするだろうと当てはめながら演じた」。
投票の8割を女性が占め、大半が30代以上だった。「年齢を気にしだす年ごろの役で、30歳ならではのリアルなエピソードが多かった。結婚に迷っている方の多くが共感できるんじゃないかな。知り合いもみんな『分かる、分かる』って見てくれていた」。ナレーションも担当し、主人公の心の迷いを声でも表現した。
今や流行語になった「壁ドン」も経験した。恋人とエレベーターで2人きりになる場面だ。「これがうわさの壁ドンかって。他のドラマでもやっていて、本当にはやっていたんですね。でもそんなキザなことをする人、います?」と笑う。
NHK大河ドラマ「八重の桜」で時代劇を経験。今作でコメディエンヌの才能も発揮した。「重い役が続くとコメディーもやりたいなって思う。気持ち的に新鮮でいたい。これからもいろんな役に挑戦したい」。本能が欲する役を演じることで、今後も演技の幅が広がっていきそうだ。【森本隆】
◆綾瀬(あやせ)はるか 1985年(昭60)3月24日、広島県生まれ。00年ホリプロスカウトキャラバンで審査員特別賞。01年ドラマ「金田一少年の事件簿」で女優デビュー。ドラマは04年「世界の中心で、愛をさけぶ」などに出演。13年NHK大河ドラマ「八重の桜」に主演。同年のNHK紅白歌合戦司会も担当。08年映画「ICHI」などで日刊スポーツ映画大賞主演女優賞。165センチ。血液型B。
◆「きょうは会社休みます。」 彼氏いない歴30年の花笑(綾瀬)は、30歳の誕生日に勤務先の商社のバイト大学生、田之倉(福士蒼汰)と初めて一夜をともにする。交際を申し込まれるが、同じビルに勤める朝尾(玉木宏)からも求愛され、初めての恋愛にあたふたする。共演はほかに田口淳之介、高畑淳子ら。最高視聴率は関東地区で17・3%。期間平均は16%。