「第18回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」主演男優賞は嵐の大野智(34)が受賞した。対象作はテレビ朝日系「死神くん」。自然体で取り組んだことが3度目の受賞につながった。作品賞も同ドラマで、ダブル受賞となった。
3度目の受賞に大野は「びっくりです。不思議でしょうがない。現場は楽しかった印象しかないんです」と振り返った。
初受賞は6年前、TBS系「魔王」で、復讐(ふくしゅう)に燃える孤独な男を演じた。連続ドラマ初主演の重圧もあり、クランクアップ後は1人、部屋で泣いた。2年前、フジテレビ系「鍵のかかった部屋」で2度目の受賞。密室殺人を描いた作品で、せりふは膨大。収録前後の4カ月間、1度も外食せず、懸命にせりふを覚えた。
今回は、死期が迫った者の元に現れて見守る死に神役。「感情が高ぶる役ではないですし、自然でいいかなと」。自然体だったが、役に入り込んでいた。大原桜子(19)がゲストだった初回、「桜子ちゃんが泣く場面は本当に悲しくなっちゃって。感情を前に出そうとは思わなくても、自然にそう思えました」。
毎回ゲストが変わる1話完結という作品も刺激になった。「仲良くなったころ、また新しいゲストの方と撮影。寂しいなとも思いましたが、毎回新鮮でした。大変だったのはゲストの皆さん。みんなで作り上げたという気持ちが強いです」と、主演らしい気遣いも見せた。
ドラマのように「あと3日の命」と告げられたら何をしたいか。「1日目はお世話になった人にあいさつして、2日目は自由に。3日目は家族と過ごします。何回か聞かれましたけど、変わらないかなあ」。どこまでも自然体だった。【小林千穂】
◆大野智(おおの・さとし)1980年(昭55)11月26日、東京都生まれ。99年に嵐のメンバーとして「A・RA・SHI」でCDデビュー。連続ドラマ主演は日本テレビ系「怪物くん」、テレビ朝日系「歌のおにいさん」など。絵画やオブジェなど創作分野でも活躍。166センチ。血液型A。
◆「死神くん」 原作は83~90年までフレッシュジャンプなどに連載された漫画家えんどコイチ氏の同名作品。死亡予定者に死を宣告し、魂を霊界に送る死に神の新米、413号(大野)は仕事を始めたばかりのため、人間寄りの判断をしてしまう。上司(松重豊)にしょっちゅう怒られ、監死官(桐谷美玲)には仕事ができないと罵倒される。
◆ドラマグランプリ 3月20日から26日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。
投票総数は2394票。男性が715票、女性が1679票。10代以下が37票、20代118票、30代257票、40代875票、50代812票、60代以上が295票だった。