NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8時)が、7日に放送初回を迎える。世界最古の女性文学といわれる、恋愛長編「源氏物語」を書き上げた紫式部(吉高由里子)の物語だが、時代は藤原家が摂関政治で権力を誇った平安中期。光源氏のモデルの一人と言われ、時代の中心にいた藤原道長(柄本佑)なくして、ドラマは進まない。そこで、藤原氏だらけで複雑に入り組んだ天皇家との婚姻関係を整理すべく、「史実」と「ドラマキャスト」の「見比べ家系図」を作成した。(※日刊スポーツ調べ・史実は諸説あり)。【イラスト作成 山本遥香】
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史実■藤原道長は兼家の五男。きょうだいは道隆、超子、道綱、道兼、詮子ら
ドラマ●柄本佑は段田安則の五男。きょうだいは井浦新、超子(※1月1日時点でキャスト未発表は史実名)、上地雄輔、玉置玲央、吉田羊
史■道長と妻・倫子の娘4人が天皇の妻になった
ド●柄本と妻・黒木華の娘4人が天皇の妻になった
史■冷泉天皇→円融天皇→花山天皇→一条天皇→三条天皇→後一条天皇→後朱雀天皇。これを道長から見ると、姉の夫→姉の夫→従兄の子→娘婿→娘婿→娘婿・孫→娘婿・孫・孫の婿
ド●冷泉天皇→坂東巳之助→本郷奏多→塩野瑛久→木村達成→後一条天皇→後朱雀天皇。これを柄本から見ると、姉の夫→姉(吉田羊)の夫→従兄の子→娘(見上愛)婿→娘婿→娘(見上)婿・孫→娘(見上)婿・孫・孫の婿
史■道隆の娘・定子が一条天皇の正妻だったが、道長は自身の娘・彰子も正妻にした
ド●井浦の娘・高畑充希がの塩野の正妻だったが、柄本は自身の娘・見上愛も正妻にした
史■彰子に仕えたのが紫式部、定子に仕えたのが清少納言。2人はライバル
ド●見上に仕えたのが吉高、高畑に仕えたのがファーストサマーウイカ。2人はライバル
史■兼家亡き後、関白となった道隆も道兼も急死。道長と、道隆の長男で定子の兄・伊周の権力争いが始まる
ド●段田亡き後、関白となった井浦も玉置も急死。柄本と、井浦の長男で高畑の兄・三浦翔平の権力争いが始まる
史■紫式部と藤原宣孝は年の差婚。娘・大弐三位を産むが、結婚して数年で夫を亡くす
ド●吉高と佐々木蔵之介は年の差婚。娘・大弐三位を産むが、結婚して数年で佐々木を亡くす
史■道長の妻・倫子と紫式部は、曾祖父が同じ
ド●柄本の妻・黒木と吉高は、曾祖父が同じ
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藤原氏の権力争いに2度転機をもたらしたのが、花山天皇。妊娠中の妻・よし子が急死し、悲しみに暮れているところを、兼家の陰謀で、道兼に出家させられたと言われる「寛和の変」。出家後、よし子の妹のもとへこっそり通いつめていると、伊周に相手を自分の思い人と勘違いされ、その弟・隆家と襲撃された「長徳の変」。「寛和」ののち一条天皇が即位し、外祖父の兼家は摂政に。「長徳」を口実に道長は伊周を失脚させ、左大臣に昇進して実権を握った。
変わり者と言われた花山天皇を演じるのは、怪演ぶりに定評のある本郷奏多。柄本佑・段田安則ら演技派ひしめく藤原氏とからむ、2つの政変にも注目だ。(※よし子の「よし」は、りっしんべんに氏)
〇家系図以外の主な出演…安倍晴明-ユースケ・サンタマリア、絵師-三遊亭小遊三、周明(宋の見習い医師)-松下洸平、直秀(散楽の一員)-毎熊克哉