全日本的なダート体系整備による新たな3歳ダート3冠は、2日大井のジャパンダートクラシック(Jpn1、2000メートル)で最終戦を迎えた。制したのはフォーエバーヤング(牡、矢作)。

今回の「ケイバラプソディー ~楽しい競馬~」では、ニッカンコムで掲載されていた「ダートクラシック番付」編成委員会の初代委員長・舟元祐二記者が総括を行った。

【イラスト】ダートクラシック番付
【イラスト】ダートクラシック番付

世代最強を決める一戦を制した横綱フォーエバーヤングの強さは計り知れなかった。3歳ダート3冠最終戦のジャパンダートクラシックはその名にふさわしく、春の東京ダービー馬ラムジェット、トライアルを勝ち上がってきたミッキーファイト、サンライズジパングと中央勢だけでも世代トップの馬がそろった。また、東京ダービー4着だった高知のシンメデージーが地方馬最先着の5着に入った。春の京浜盃で中央勢を打ち負かした大井のサントノーレ(7着)、東北の地元戦では無敗のフジユージーン(10着)も参戦し、地方ファンにとっても盛り上がる話題があった。

南関本紙の渡辺記者はこう語る。「南関のみならず、中央、地方のダート競馬を例年以上にチェックしました。あの馬まだ負けていないぞ、とか、この馬は前哨戦ですごい勝ち方をしたぞ、とか。自分と同じようなファンの方も多かったのではないでしょうか。この体系での楽しみ方を見つけ、それが増えていけばいいなと思います」。同じ南関担当で岩手競馬に造詣の深い牛山記者は「高知勢はフジユージーンより番付を上にしても良かったですね」と振り返る。園田本紙の松本記者は「シンメデージーの活躍は西日本の関係者にとってもうれしい驚きでした。次は兵庫からも全国レベルの馬をという思いも強くなるといいですね」。

フォーエバーヤング(2024年9月撮影)
フォーエバーヤング(2024年9月撮影)

最終戦の結果を受け、番付が確定。横綱の走りには一切のけちのつけようがない。また春からダート3冠をけん引してきた馬たちにも相当の評価が下された。この馬たちが4歳以降になっても、全国で交流していけば、さらにダート界の盛り上がりは増すだろう。

フォーエバーヤングは再び海を渡り、米国デルマーで世界のダート最強馬を決めるBCクラシックに挑戦する。日本ダート馬のレベルの高さを証明してくれればと切に願う。来年以降もこの体系をさらに洗練していって、3歳ダート3冠が世界に影響するようになることが望ましい。

◆ダートクラシック番付 3歳ダート3冠の新企画として、ニッカンコムで1月から不定期掲載。南関競馬で本紙担当の渡辺、同じく南関の牛山、中央記者の舟元の3人に、第8回から園田本紙の松本が加わり、番付を編成してきた。

(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)