【日本ハム】“カメレオン”伊藤大海、新球キックチェンジ試す 相手次第で柔軟に“色”変え幻惑
“カメレオン大海”が25年のプロ球界を席巻する。日本ハム伊藤大海投手(27)が11日、エスコンフィールドでの自主トレを公開。新球「キックチェンジ」をテストした。これまでも超スローカーブを投げるなど多彩な変化球を用いてきたが、今季は新球含め、相手次第で配球や投球フォームまで変幻自在に変えながら白星を積み上げ、目標の沢村賞を引き寄せる。
◇ ◇ ◇
伊藤が相手次第で柔軟に“色”を変える。日本一を目指す25年の投球について「真っすぐ、スライダー、カット、スプリットは絶対ブレないところ。そこを軸に、緩急枠でカーブなのかチェンジアップなのか。試合ごとにバッターの状況を見ながら、いろんなものを引っ張って来られるように」と思い描いた。
「緩急」の選択肢を増やすため、米ジャイアンツで昨季5勝を挙げたバードソングを手本に新球「キックチェンジ」をテストした。球速的にスプリットよりも遅く、フォークのように落ちるボール。ソフトバンクとのCSファイナルで4失点KOされた悔しさを踏まえ、「スプリットのスピードが出すぎて、まっすぐ対応で来ているところに、ちょうど合ってしまった。1個引き出しを増やす意味で」と狙いを説明した。
球種を増やした上で、試合ごとにスタイルを変えていく。「落ちる球は今日はこっちの方がいいかなとか。何か前回と違うじゃん、みたいな感覚を覚えてもらえるように。このソフトバンク戦には取っておこうとか。いつでも出せるわけではなくて今だ、みたいな」と幻惑する。
2年連続、エスコンフィールドでの“1並び”1月11日の自主トレを公開。室内でも息が白くなるほどの環境の中、シーズン中の登板時同様、半袖でキャッチボールした。同時に「暖かいと、ちょっとごまかしが利く。しっかりアップはしますが、寒い方が体の不具合が出やすいし、より繊細にできる」。目標は昨季該当者なしだった沢村賞。“ナンバー腕”になるため、細部にこだわり、準備を進める。【永野高輔】
◆キックチェンジ 中指の爪を立てるように握るチェンジアップの一種。薬指で圧力をかけることで回転軸を横にずらす。回転軸が横に倒れやすいため、落下の量が通常のチェンジアップより多い。伊藤によると「スプリットより遅くて落ちるイメージ。チェンジアップよりフォーク…スプリットチェンジに近いような。(変化は)奥行き系ではないです」。