【囲碁】上野愛咲美五段が世界メジャー初V「呉清源杯」地元中国勢撃破「奇跡。皆さんに感謝」
囲碁の女流棋士、上野愛咲美五段が日本勢として初めて主要な国際棋戦で世界一となった。1日、中国・福州で行われていた第7回呉清源杯世界女子選手権決勝3番勝負第3局で、唐嘉〓(雨カンムリに文の旧字体)六段(中国)に勝ち、2勝1敗で優勝した。上野は11月29日の第1局で先勝したが、翌30日の第2局で完敗した。改めての第3局で実力を発揮して頂点へと駆け上がり、優勝賞金50万人民元(約1000万円)を手にした。
日本、中国、韓国、中華台北、北米、欧州から24人が参加した、女性の国際棋戦最高峰のトーナメントに、上野は11月25日の2回戦から登場。魏欣桐三段(中国)を下すと、3回戦で李赫六段、準決勝で於之瑩八段と地元勢を撃破した。
国際棋戦としては一昨年のワールド碁女流最強戦以来の優勝となる上野は終局後、「2局目の悪い流れを変えるために買い物に行った。3局目は序盤、良くなかったが、中盤でいい形になって打ちやすいと思いました」と決勝を振り返った。シリーズ全体を通しては「相手の方が強いし、すごく勉強になりました。優勝は奇跡。皆さんに感謝したいです」と笑顔を見せていた。
師匠の藤沢一就八段(60)は「運が良ければ優勝できると思っていましたが、内容的に思っていたより強かった。立派な優勝だったと思います」と絶賛した。
今年創立100年の日本棋院の所属棋士としては、一力遼九段(27)が8~9月に開催された「第10回応氏杯世界選手権」で優勝している。記念すべき節目の年に男女とも国際棋戦制覇を果たした。