【チャンピオンズC】レモンポップ最後のひと絞り!連覇で有終!坂井騎手「忘れることない1頭」
<チャンピオンズC>◇1日=中京◇G1◇ダート1800メートル◇3歳上◇出走16頭
五臓六腑(ろっぷ)に染み渡るトップホースの走り! ダートチャンピオン・レモンポップ(牡6、田中博)が鼻差で逃げ切り、引退レースを史上2頭目の連覇で飾った。勝ち時計は1分50秒1。
国内G1(Jpn1含む)は6戦6勝という圧倒的な成績でターフを去る。今後は種牡馬としてスターホースを送り出す。
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最後のひと絞り。レモンポップ、執念の鼻差だった。先手を奪い、昨年とほぼ同じペースで1000メートルを通過。そのまま突き放すかというところでウィルソンテソーロが襲いかかった。写真判定中、田中博師は涙をこらえながら、厩舎スタッフに肩を支えられ、結果を待った。「勝ったか負けたか分からなかったけど、すごく感動しましたね」。約10センチ差での勝利。プレッシャーから解放された。
「去年のチャンピオンズCのパフォーマンスがすごい状態だったので、膨らんだ風船が破れそうな…。そこから調教に関しても、馬場入りの感じとかネガティブな雰囲気を出してきた。フィジカル的にはすごい衰えはなかったけど、気持ちの部分では馬も思うところがあったのかなと。ただ、頑張り屋さんだった」
G1・3勝目を手にして臨んだ今年の初戦サウジCは12着に大敗した。18戦13勝の競走生活は決して順風満帆ではなかった。オーナー、厩舎スタッフが一丸でレモンポップとトレーナーの背中を押した。「本当にスーパーホース。最後まで教え続けてくれた先生。お疲れさま、ありがとうと言いたい」。最後は笑顔で送り出した。
昨年のフェブラリーSからタッグを組んだ坂井騎手も安堵(あんど)の表情だ。「ここ2戦でなかった最後のひと脚があったので、これで差されたら仕方ないなと」。最後の手綱からは今年一番の手応えが伝わってきた。「国内G1・6戦6勝、こんな馬はなかなかいない。その背中にいられたのは誇りに思う。この2年弱、僕の中心にいた馬。引退してからも忘れることのない1頭になった」。この経験を糧に、若きトップジョッキーはさらなる高みを目指す。
今後はダーレージャパンで父として第二の馬生を歩む。日本に敵無しのダート王。その姿はこれからも人々の心の中でパチリとはじける。【下村琴葉】
◆レモンポップ ▽父 レモンドロップキッド▽母 アンリーチェイブル(ジャイアンツコーズウェイ)▽牡6▽馬主 ゴドルフィン▽調教師 田中博康(美浦)▽生産地 米国▽戦績 18戦13勝(うち地方3戦3勝、海外2戦0勝)▽総獲得賞金 7億6020万円(うち地方2億2500万円、海外0円)▽主な勝ち鞍 23年根岸S(G3)フェブラリーS(G1)南部杯(Jpn1)チャンピオンズC(G1)24年さきたま杯(Jpn1)南部杯(Jpn1)▽馬名の由来 レモンスカッシュ