<リオ五輪:体操>◇10日◇男子個人総合決勝
鉄棒を前に、正直「あの内村でも負けることがあるのか」という思いだった。鉄棒が得意な内村に対し、ベルニャエフは6種目の中では不得手。それでも、約0・9点差は大きかった。内村の鉄棒は15点台後半、団体予選で15・100だったベルニャエフは15点前後。逆転へギリギリだった。
内村はその状況で完璧に演技をした。ベルニャエフの鉄棒は、ひねり技が多く減点されやすい構成。着地も乱れた。仮に1点差あれば、余裕を持てたはず。約0・9点という絶妙な差が、劇的な逆転を呼んだ。
ベルニャエフは素晴らしかった。高得点を並べて、内村を苦しめた。しかし、内村はそれ以上だった。これまで経験のない追いかける展開で、最高の演技をした。僅差の勝負が、逆に内村の強さを際立たせた。歴史に残る大接戦だったからこそ、真のチャンピオンであることが証明された。内村はやっぱり強かった。(04年アテネ五輪団体総合金メダリスト)
日刊スポーツ リオ五輪評論家
古賀稔彦(柔道)
バルセロナ五輪金メダル「平成の三四郎」が日本柔道を解説。
伊東浩司(陸上)
10秒00の男子100メートル日本記録保持者が、躍動する日本の陸上を解説。
瀬古利彦(マラソン)
五輪2度出場、往年の名ランナーが日本の陸上を評する。
野口みずき(マラソン)
アテネ五輪金メダリストが長距離日本代表を解説。
高橋繁浩(競泳)
平泳ぎで五輪2度出場。テレビ解説でもおなじみの中京大教授が日本のスイマーを分析。
小谷実可子(シンクロ)
ソウル五輪銅メダリスト「永遠のマーメイド」が復活狙う日本のシンクロを解説。
池田信太郎(バドミントン)
「イケシオ」コンビでロンドン五輪出場。躍進する日本のバドミントンを解説。
米田功(体操)
アテネ五輪団体総合金メダリストが日本体操陣を分析。
セルジオ越後(サッカー)
ご意見番がサッカー五輪代表を辛口チェック。
秋田豊(サッカー)
W杯2度出場の熱血ディフェンダーがサッカー五輪代表を解説。
宮崎義仁(卓球)
2012年ロンドン五輪男子代表監督が、連続メダルを狙う日本の卓球を解説する。
伊藤華英(競泳)
高校生で日本代表入りし、美女スイマーとして五輪に2度出場。選手目線の細かすぎるエピソードを交えて競泳陣の奮闘ぶりを解説します。
高橋有紀子(バレー)
インドアで2度、ビーチで2度の五輪出場。4大会連続入賞という日本女子バレー界唯一の記録を持つ。2大会連続メダルを目指す日本のプレーを分析します。
植松鉱治(体操)
絶対王者・内村に最後に個人総合で勝った元鉄棒日本チャンピオンが、頂点を目指す体操ニッポンの演技を解説します。