<リオ五輪・陸上>◇19日◇男子400メートルリレー決勝

 3走までは冷静に見ていたが、日本のユニホームがアンカーであの位置にいることに単純にびっくりした。銀メダルの要因は1走山県。山県はどんな状況でもしっかり走れる。リレーで一番難しいのは2走で、各国とも9秒台の選手が並ぶ。ここを飯塚がしっかりつなげるか。山県のいい走りで勢いをつけた。山県、飯塚の好走が銀につながった。失格したとはいえ、米国に先着したことは立派だ。

 37秒60は国別でジャマイカ、米国に次ぐもの。個人の走力が上がれば、更新の可能性はあるが、次のことは次に考えればいいというぐらい、レベルが高いタイムだ。今大会は藤光、高瀬と力のある選手が走れなかった。現在の4人が5、6人と層が厚くなってくればいい。日本は7月のU-20世界選手権でも銀を獲得している。日本ほど各チームがバトン練習に協力してくれる国は少ないだけに、その良さを継続してほしい。

 地元開催の20年東京五輪では、もうひとつ上のメダルを期待されるだろう。今大会は個人種目でダメな選手もいた。「リレーがよければよし」では日本の発展はない。リレーはリレー、個人は個人で、秋シーズンをしっかりやってほしい。(男子100メートル日本記録保持者、96年アトランタ、00年シドニー五輪出場)