金メダルの表彰式後に涙を流す金藤(撮影・清水貴仁)
金メダルの表彰式後に涙を流す金藤(撮影・清水貴仁)

<リオ五輪:競泳>◇11日◇女子200メートル平泳ぎ決勝

 金藤理絵選手(27)の金メダル獲得は、後輩たちにすごくいい影響を与えるんじゃないでしょうか。

 今回、チームの主将に選ばれていますが、本当に優しくて純粋な性格です。みんなが応援したくなるような選手で、安心感がある。ああいう選手が金メダルを取るんだなあと後輩に分かってもらえれば、チームの雰囲気も良くなるでしょうし、彼女のように努力しようと思えるでしょう。

 8年前の2008年北京五輪では私もチームメートでした。彼女は19歳で、あまり目立たない存在でした。そこから8年間の頑張りは相当なもの。優勝インタビューで加藤コーチに感謝の気持ちを表していましたが、指導した加藤コーチも、そこについていった金藤選手も素晴らしいです。

 男子200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得した萩野公介選手(22)には、何か「貫禄」のようなものも感じます。現状に満足しないことがトップアスリートの証拠だと思いますが、彼は今、東京五輪でやってやる、という気持ちになっているように見えます。4年後が楽しみです。

 今回、日本チームとしては萩野選手と金藤選手の金メダルを計算していたと思います。その通りに取れたこと、主将が結果を残せたことで、満足できる大会になったのではないでしょうか。(伊藤華英=北京、ロンドン五輪代表)

 ◆伊藤華英(いとう・はなえ)1985年1月18日、埼玉県生まれ。00年日本選手権に15歳で初出場。01年世界選手権で初代表入り。08年北京五輪で背泳ぎ2種目出場、12年ロンドン五輪は自由形リレー2種目出場。12年秋に現役引退。順大大学院博士後期課程。173センチ。