水谷隼は、スタンドにユニホームを投げ入れ笑顔を見せる(撮影・PNP)
水谷隼は、スタンドにユニホームを投げ入れ笑顔を見せる(撮影・PNP)

<リオ五輪:卓球>◇11日◇男子シングルス3位決定戦

 水谷は、この4年間で精神的に2段階くらい成長しました。謙虚な言葉遣い、あいさつ、とげとげしい発言もなくなった。結婚して、子どももできて、人間的に柔らかくなったのが、試合の中でも余裕につながっていると思います。今がピークでなく、まだまだ伸びますね。

 28年前、僕が第1号で五輪に出場してから、まったくメダルをとれなかった。呪縛にかかっていたような気がする。水谷が解いてくれたおかげで、一気にメダルラッシュになっていくんじゃないかな。男女の団体も期待できるでしょう。これからは世界2位の地位を確保して、誰が中国を最初に倒すかという競争になっていきますね。

 東京五輪も、リオでのメダルがないと始まらなかった。水谷の姿を見て、それでも金には届かないならもっとやらないと、と若い子たちが思ってくれる貴重な銅になりました。(男子日本代表前監督)