<リオ五輪:陸上>◇14日◇男子100メートル準決勝、決勝

 決勝は、60メートル付近でガトリンが抜けるかと思ったが、ボルトが中盤から出た。200メートルで世界記録を出したいというように自信があったのだろう。五輪3連覇はできるものではない。ガトリンは何をやっても勝てない、お手上げの状態だ。

 準決勝の山県は、この大舞台で自己ベストを更新した。ボルトとは違うすごさを感じる。後半の動きが少しいつもと違ったが、条件のいい会場を選ぶことなく9秒台を出せる力がある。

 今大会の決勝進出ラインは、10秒01だった。山県はあと0秒04を埋める作業をすれば、間違いなく決勝の舞台に立てる。大切なのは9秒台を目標にしていたら、どうにもならないということ。記録ではなく、準決勝で感じた感覚の差を埋めることだ。記録を目標にすると同じことの繰り返し、同じところで落選するだろう。(男子100メートル日本記録保持者、96年アトランタ、00年シドニー五輪出場)