間もなくリオ五輪が開幕します。オリンピック選手が本番でベストのパフォーマンスをするためには、食事も1つのカギとなります。このコーナーでは、食事、栄養の観点からスポーツを見ていきます。特に、トップアスリートを目指すジュニア、中高生選手、保護者、指導者に読んで欲しい栄養コーナーです。
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スポーツを頑張っているジュニアアスリートのために、親としてできることは何でしょうか? 送り迎えをしたり、試合の応援に行ったり、精神的にも支えとなったりと、いろいろありますが、やっぱり栄養が十分で愛情たっぷりの食事作りをすることではないでしょうか。なぜならば、私たちのカラダは食べたもので作られ、食べたもので動かすからです。
◆カラダは食べたもので作られ、食べたもので動かす
アスリートにとって「これを食べれば強くなる」「これだけを食べれば良い」 というものはありません。栄養バランスの良い食事を摂ることが大切ですが、毎日の食事の栄養価計算をすることは非現実的なことですね。しかし、「バランスの良い食事の基本の形」を整えていけば、おおむね栄養バランスを整えることができます。足りないものがあったとしても、常にこの「基本の形」を意識していれば、補うことができるのです。
◆主食+副菜+主菜+乳製品+果物
「基本の形」とは、主食(ご飯、パン、パスタ、麺類など)+副菜(野菜、きのこ、海藻などをメインにして作ったおかず、汁物も含む)+主菜(肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品などをメインにして作ったおかず)+乳製品+果物をそろえたものです。こう書くと、何品も作るのは大変と思われるかもしれませんが、お皿の数が少なくても「基本の形」を整えることはできます。例えば、お子さんたちの大好きなカレーライス(主食+主菜+副菜)にサラダ(副菜)と季節の果物をのせたヨーグルト(乳製品+果物)という献立も栄養バランスの良い食事と言えます。
また、「基本の形」を覚えていれば、外食の時も意識してメニュー選びができ、足りない部分は家で補うこともできます。部活や試合の帰りに選手がコンビニ等で補食を購入する際も、この「基本の形」を意識して選べるようになると良いですね。
- バランスの良い食事の基本の形のアレンジ♪ 豚もも肉の塩麹ガーリック炒め(写真は1食分の一例です)
写真は、ご飯(主食)、カボチャのボタージュ(副菜+乳製品)、豚もも肉の塩麹ガーリック炒め(主菜)、レンコンのきんぴら(副菜)、小松菜の煮浸しシラス添え(副菜)、イチゴヨーグルト(乳製品+果物)という献立です。
今回は、試合前の食事としてエネルギーをため込めるように炭水化物をしっかり摂れる献立になっています。ご飯はもちろんのこと、副菜にカボチャやレンコンなど炭水化物を多く含む野菜を使い、炭水化物をエネルギーに変える働きのビタミンB1を多く含む豚肉を使用しています。油の少ない部位を選ぶこともポイントです。また塩麹はタンパク質を分解する酵素が含まれ、食感も柔らかくなります。
豚肉には炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB1が多く含まれています。アリシンを含むネギの仲間(このメニューではタマネギとニンニク)を加えるとビタミンB1の吸収率を上げるので効果的な組み合わせです。試合の前日のメニューに困ったら是非お試しください。【管理栄養士・石村智子】
アスリートへのおすすめレシピ:豚もも肉の塩麹ガーリック炒め
- 豚もも肉の塩麹ガーリック炒め
<材料(2人分)>
※分量は可食部の重量。運動量多めの15~17歳向けの分量です。
豚もも肉 200g
タマネギ 中1/2個(120g)
ピーマン 2個(40g)
赤パプリカ 1/2個(60g)
ニンニク 小1かけ(2g)
サラダ油 小さじ2(6g)
塩麹 大さじ1(15g)
しょうゆ 小さじ2
塩・コショウ 少々
<作り方>
(1)豚もも肉は食べやすい大きさに切り、塩麹とおろしニンニクを揉み込み20~30分置きます。
(2)タマネギはくし形切り、ピーマンと赤パプリカは細切り、ニンニクは薄切りにします。
(3)フライパンに半量のサラダ油を入れ、強火でサッと野菜を炒め、いったん取り出します。
(4)同じフライパンに残りの半量のサラダ油を入れ、焦げやすいので火加減に注意しながら(1)の豚肉を炒め、(3)の野菜を加え、しょうゆ、塩、コショウで味を調えます。
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