すしが約1100円で販売されていた(撮影・三須一紀)
すしが約1100円で販売されていた(撮影・三須一紀)

<三須記者がリオで見る:カーニバルの光と影>

 【リオデジャネイロ16日(日本時間17日)=三須一紀】全世界の人が集まる五輪だからこそ、各国はPRに躍起になる。リオ市内にはそれぞれの「おもてなしハウス」が乱立。日本は五輪パーク近くに「ジャパン・ハウス」を設置したが、諸外国はどうなのか-。PR合戦の現場に潜入した。

 ◆日本 他国は観光客が集まるコパカバーナ、イパネマ、レブロン近くに構えたが、ジャパン・ハウスは五輪パークの近くに構えた。開場時間も正午から午後8時と健全。その理由は、日本を紹介することに重点を置いたからだという。5日から15日で約3万8000人が来場。書道、浴衣などのブースに人が集まっていた。

 ◆イタリア VIPなどの招待客しか通さない方針だった。24年夏季五輪に立候補しているが、パリとは一線を画し、ひっそりとPRを続けている。場所も超高級住宅地の一角を借りている。

 ◆韓国 コパカバーナビーチの隣、レーメというビーチの一角を借りているが、午後7時に早々と閉まる。さすがに平昌(ピョンチャン)冬季五輪を前面に押し出しているが、面積も、ブースも少ない。

 ◆スイス 8月1日からの11日間でなんと8万5000人もの人が訪れた。所在地はロドリゴ・フレイタス湖のほとり。コパカバーナやイパネマからほど近い、人々が集まりやすい「市街地」だ。スイスらしい、雪やスケート体験を用意。さらにアルプスならではのバーベキュー体験ゾーンもあって、人気を集めている。

 ◆オランダ ビール会社「ハイネケン」が1社で受け持っていることもあり、自由度が高い。ハウスの真ん中にプールがあり、プールサイドには寝転がれるベンチやヤシの木がある。さらにクラブゾーンは5000円以上を払えば、深夜1時まで、踊れる。

 ◆フランス 16日までに約4万人が訪れた。バレーボール、アーチェリー、ロッククライミングなどさまざまなスポーツも体験できる。夏季の24年パリ五輪を招致しているブースもあった。クラブエリアでは朝5時までダンスミュージックを展開する力の入れようだ。

 ◆カタール 広さは1万2000平方メートル。日々、客数の上限を設定していて、これまでのチケット販売数は1万4000枚だという。22年のサッカーW杯のPRをはじめ、カタール風タトゥーなどの体験コーナーが盛況だった。

 ◆アフリカ・ハウス アフリカ大陸54カ国が一堂に会している。モロッコ航空が飛行機のオブジェをつくって、その中でアフリカフライトの醍醐味(だいごみ)を紹介した。アフリカ先住民が行う化粧を、一般の人も体験できた。総面積は3300平方メートル、総額は180万ドルだという。