ある日本人の女性記者が、目の前に吹っ飛んできた。プレスセンターから宿泊先に向かうバスの中でのこと。一瞬何が起きたのか分からなかったが、バスが猛スピードでUターンをしたことが原因だったようだ。
弊社のエリーザ大塚通信員によると、ブラジル人の運転は荒いという。五輪用のバスもスピードを出し、カーブでも路肩に乗るのは当たり前だ。シートベルトはなく、ジェットコースターより怖い。交通事故も多いだろうと思ったが、総務省の調べによると、10万人の交通事故死亡率は日本の4・52人に対してブラジルは3・8人。少し拍子抜けした。
元F1ドライバーが「ブラジル人の運転はみんな荒い。良いレーサーが出るのは当たり前」と話したことがあるという。音速の貴公子セナやピケと、ブラジル人の名レーサーは少なくない。12時間の時差でバスの中は大事な休息の場。安心して寝るとしよう。【田口潤】