【還暦野球・胸形武明の場合】簡単で難しく、似てても違う…日々の生活と同じ/連載5

野球人口と未来を考えるとき、まずはピラミッドの土台をなす少年野球が思い浮かびます。同じように、シニア層にも「還暦野球」という広大な裾野が広がっていることをご存じですか。神奈川・藤沢を拠点に活動する「湘南ドリームズ」の群像をルポすると、セカンドキャリアの友に収まらない野球の奥深さが透けてきます。市井から学ぶ6回連載の第5話。

その他野球

◆湘南ドリームズ1998年(平10)設立。神奈川県還暦軟式野球連盟に所属。「ドリームズ」は、同年に「かながわ・ゆめ国体」の愛称で行われた神奈川国体にちなんだ。07年全国大会8強。還暦、古希、グランド古希の各カテゴリーに37選手が所属している。石橋正行代表。練習見学、体験は大歓迎。詳細はHP(https://shonandreams.1web.jp/)まで。

■ボールが飛んできたら拾いに行き、声をかけてもらうのを待っている…

60歳になって「心機一転、還暦野球に入ろう!」と思い立ったとする。

神奈川に住んでいれば、県還暦軟式野球連盟のホームページ(https://sinkanren.com/)に入り、情報を得ようとするのがパターンAだろう。

60代の還暦カテゴリーには、30ものチーム名が連なっている。しかし、リンクのアドレスがついているのは8チーム。3割に満たない。

リンクに飛んでも休眠状態のページが多い。リーグのさらなる発展にはITリテラシーが課題だが、年齢には抗えない面もある。

知人からの紹介があれば問題ないけど、少数派だろう。恥ずかしいので、自分から「入りたいです」とも言いづらい。

グラウンドに行って練習を遠巻きに眺め、ボールが飛んできたら拾いに行き、声をかけてもらうのを待っている…そんなチャームでけなげな60代を結構、見かけるという。

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1999年入社。整理部―2004年の秋から野球部。担当歴は横浜(現DeNA)―巨人―楽天―巨人。
遊軍、デスクを経て、現在はデジタル戦略室勤務。
好きな取材対象は投手、職人、年の離れた人生の先輩。好きな題材は野球を通した人間関係、カテゴリーはコラム。
趣味は朝サウナ、子どもと遊ぶこと、PUNPEEを聴くこと。