【ジッダ(サウジアラビア)=岩田千代巳】日本代表(FIFAランキング16位)が「鬼門」を難なく突破した。アウェーでサウジアラビア代表(同56位)と対戦し、MF鎌田大地(クリスタルパレス)とFW小川航基(NECナイメヘン)のゴールで2-0と下し、3連勝を飾った。勝ち点を9に伸ばし、C組首位を独走する。
日本代表にとっては過去3戦全敗(06年9月3日11年9月5日、21年10月7日=ともに0-1)しているアウェー戦。しかもキング・アブドゥラー・スポーツ・シティーではW杯予選負けなしのサウジアラビア代表。まさに難攻不落の敵地に乗り込み、C組2位チームとの天王山だった。
先発メンバーは第2戦のアウェー、バーレーン戦と同じ顔触れとなった。GK鈴木彩艶(パルマ)、DFラインは3枚で右から板倉滉(ボルシアMG)谷口彰悟(シントトロイデン)町田浩樹(サンジロワーズ)。ボランチは右に守田英正(スポルティング)、左に遠藤航(リバプール)。ウイングバックは右に堂安律(フライブルク)、左に三笘薫(ブライトン)。2シャドーは右に南野拓実(モナコ)、左に鎌田。1トップに上田綺世(フェイエノールト)。現地午後9時のキックオフ前で気温32度、6万人の観衆の中、試合は始まった。
幸先良く先制した。前半14分、右サイドの堂安がファーサイドへクロスボールを送ると三笘がワンタッチでゴール前へ。守田が頭で落としたところを鎌田が左足ダイレクトで押し込んだ。左右に揺さぶりサウジアラビアの守備網を突き破った。
イタリア代表で21年欧州選手権を制したマンチーニ監督に率いられたサウジアラビは手ごわい相手だった。押し込まれる展開が続く中、粘り強い守備を披露した。前半27分にはゴール前で次々とシュートを狙われたが、ここはフリーにさせず、守田が、遠藤が連続してブロックした。
前半42分には左ウイングのS・ドサリにドリブルで中央へ持ちこまれ、最後は右ウイングのアブドゥルハミドの強烈なシュートを浴びたが、鈴木が鋭く右に跳んで右手1本でビッグセーブ。カテナチオの国、イタリアで活躍する守護神が立ちふさがった。
アディショナルタイムの前半46分、南野のワンタッチパスを受けた上田が巧みなターンから左足でシュート。ここはファインセーブで阻まれたが、エースが見せ場を作った。シュート数は4本対8本と劣勢だが、攻守に安定した戦いで前半を折り返した。
後半開始から南野を下げて、伊東純也(スタッド・ランス)を投入した。堂安が右シャドーに上がり、伊東は右ウイングバックに入った。その伊東が右サイドから果敢に攻め上がるが、決定機には至らない。
動きがない中、後半18分には鎌田に代えて前田大然(セルティック)をピッチへ。前田を左ウイングバックに入れて三笘を左シャドーへ上げた。同21分には右サイドに回っていた三笘がカットインから左足シュート。しかしゴール前に入っていた前田に当たった。
追加点が奪えず膠着(こうちゃく)状態が続く中、後半31分には1トップを上田から小川にスイッチした。後半34分にはロングボールからの伊東の落としを小川が右足シュート。ここはコースに入った相手選手に当たり、ゴール枠から外れた。しかし、そのCKで伊東のキックから小川が打点の高いヘディングシュートを決めた。待望の追加点が後半36分に生まれた。
後半43分には堂安と三笘が下がり、MF久保建英(レアル・ソシエダード)とMF中村敬斗(スタッド・ランス)が出場した。ロングボールからヒヤリとする場面こそあったが、危なげなくクローズ。前回の最終予選で苦杯をなめた森保一監督は、サウジアラビアの地で歴史的勝利を挙げた。
第1戦で中国に7-0、第2戦でバーレーンを5-0と下したのに続き、サウジアラビアにも完封勝ち。3試合を終えて14得点、無失点という強さを見せつける。15日に勝ち点4(1勝1分け1敗)でC組2位のオーストラリア代表(FIFAランキング22位)と埼玉スタジアムで対戦する。
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