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侍ジャパンメンバー

外野手 長野 久義

#34 Hisayoshi Chono
長野 久義

(C)NPB/BBM2013

所属 巨人
今季年俸 1億6000万円
投打 右右
生年月日 1984/12/6
出身地、経歴 佐賀、筑陽学園-日大-ホンダ
身長・体重 180センチ・83キロ
2012年成績 144試合、14本塁打、60打点、20盗塁、打率.301
五輪、WBC出場歴 なし

じっくり見て頭にたたきこむ

長野 久義

 無類の眼力の持ち主だ。長野久義外野手(28=巨人)は、とにかくよく見る。練習量は決して多いとは言えないが、練習場にいる時間は長い。打撃ケージからやや離れた場所からチームメートの打撃に目を光らせる。ただ、何のどこを見ているかは決して明かすことはない。「別に何も見ていないですよ。打撃フォームは自分が打ちやすい打ち方が一番いいと思っているので」と、必ずけむに巻く。

 広辞苑には眼力の意味として「眼の力」のほかに、「物事の真偽、善悪を見分ける力」とある。試合で活躍したときは「まぐれです。たまたまです。ラッキーでした」。活躍できなかったときは「僕の責任です。また頑張ります」と、繰り返す。謙虚なコメントに徹する長野の談話は正直、面白みはない。だが、その理由には長野のすごみが垣間見えた。

 長野 新聞とかテレビで僕が発するコメントは相手チームも見ている。例えば「甘いボールだったから打てた」と僕が思っても、相手投手が必ずしも、そう思っているかどうか分からない。この先、何度も対戦する。あまり相手を刺激するようなことは言うべきではないし、言ってもメリットは1つもない。

 相手投手に敬意を払うと同時に、すでに次回対戦を見据えている。それは勝負に徹し、少しでも勝つ可能性を上げるための手法とも言える。いかなるときでも、真意を追求し、先の勝負に備える力が長野にはある。打線の切り込み隊長であり、勝負強い打撃でポイントゲッター的な役割にも期待がかかる。国際舞台はアマチュア時代から7大会を経験。「結構、国際試合は成績がいいと思いますよ」と、データが少ない中でも「眼力」を駆使し、好成績を残してきた。

 練習中の相手投手のしぐさ、外見などから性格やタイプを察し、勝負どころに生かす。習慣化された能力で、意識しなくても無意識に頭の中にデータとして焼きこまれる。普段の試合前練習は報道陣の動きを見極め、他の選手に取材が殺到している隙を、わざと狙ってベンチ裏へ引き揚げる。それも状況をよく見て、把握し、考え、推測できる力があるからこそできるすべなのかもしれない。【為田聡史】

 (2013年2月8日付日刊スポーツ紙面掲載)









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