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侍ジャパンメンバー

内野手 稲葉 篤紀

#41 Atsunori Inaba
稲葉 篤紀

(C)NPB/BBM2013

所属 日本ハム
今季年俸 2億円
投打 左左
生年月日 1972/8/3
出身地、経歴 愛知、中京-法大-ヤクルト
身長・体重 185センチ・94キロ
2012年成績 127試合、10本塁打、61打点、0盗塁、打率.290
五輪、WBC出場歴 北京五輪、第2回WBC

偉ぶらず目線下げ若手掌握

稲葉 篤紀

 いかにして、チームの一体感を生むか。侍ジャパンは、期間限定の急造チームだけに、この点が勝敗を大きく左右する。だからこそ、チーム最年長の稲葉篤紀内野手(40=日本ハム)が必要となる。

 稲葉の大きな魅力は、腰の低さにある。実績は、名球会入りしているように群を抜いている。だが、偉ぶった態度をすることはない。どれだけ年下に対しても、相手まで目線を下げて接する。具体的に、稲葉流の若手掌握術を見てみよう。

 まずは伸び悩んでいる斎藤佑樹。昨年10月5日楽天戦。2軍落ちしていた斎藤には、約2カ月ぶりとなる1軍マウンドだった。復活を期したものの、5回途中6失点でKOされた。ロッカー室で失意に沈み、周囲も近寄りづらいムードだったという。当然、斎藤も孤独感に包まれていた。そんなとき稲葉が歩み寄り、こう語りかけた。

 「佑樹。お前が打たれると、オレもすごく悔しい。歯がゆい」。叱るでもなく、なぐさめるでもない。一緒に悔しがってくれた。この時の斎藤にとっては何より大きな言葉だった。斎藤は言う。「何回、稲葉さんの何げない言葉に救われたか分かりません。こんな若い選手に声をかけてくれる。それだけで本当にありがたいです」。

 そして、ともに代表候補に選ばれている中田。彼はWBCのため早めに仕上げる必要があるにもかかわらず、ややスローペースだった。すると稲葉は、キャンプで球場から宿舎へ戻る中田の横に並んだ。一緒に歩きながら、素振りの量が足りないことなどを諭した。そして「オレと一緒にやろう」と言い、この日から2人でバットを振るようになった。稲葉は笑う。「こっちから声をかけないと、あいつは絶対にやらないからね」。中田のペースは上がり、7日の紅白戦では第1打席の初球を本塁打にした。

 斎藤には言葉で、中田には行動で。相手の性格や気性などを把握し、的確な言動で人を動かしていく。「(主将の)阿部君をサポートして3連覇を目指したい」。きっと7歳下の阿部を立て、彼がやりやすい環境を作っていくだろう。稲葉に求められるのはプレーだけではない。侍たちの心と心をつなぐという大事な役目がある。【高山通史】

 (2013年2月9日付日刊スポーツ紙面掲載)









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