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侍ジャパンメンバー

外野手 角中 勝也

#61 katsuya Kakunaka
角中 勝也

(C)NPB/BBM2013

所属 ロッテ
今季年俸 4200万円
投打 右左
生年月日 1987/5/25
出身地、経歴 石川、日本航空二-四国IL・高知
身長・体重 180センチ・85キロ
2012年成績 128試合、3本塁打、61打点、8盗塁、打率.312
五輪、WBC出場歴 なし

「結局タイミングなんで」

角中 勝也

 角中勝也外野手(25=ロッテ)は鈍い。誤解を恐れずに言えば、鈍感とも言える。「周りからも、よく鈍感だと言われますね」。私生活は神経質だ。遠方に出掛ける時は1時間前の到着を心掛ける。目覚ましは1発で起きる。プロ入り後、寝坊したことがないのは、ちょっとした自慢だ。ただ野球については鈍感。だが鈍重なわけではない。

 首位打者を獲得した昨季。この鈍感力が才能の開花を後押しした。2ストライク後の打率が2割8分7厘。規定打席に到達した両リーグ54人中1位だった。追い込まれたという切迫感を必要以上に感じない。独立リーグ時代まで国際試合の経験も皆無だったが、プロ入り後の対外国人打率は3割3分7厘。侍ジャパンデビューとなった11月のキューバ戦も二塁打を放った。

 角中 速い球はきついけど、外国人特有のフォームとかは気にならない。球の出どころだけに集中している。最初からイヤだなという意識を持っていたら、負けてしまうから。野球については神経質じゃない。

 プロ4年目まではバットを年間5回も変えた時があった。重さ、形も含めれば基本モデルのタイプAから最終的にはタイプZまで届きそうな勢いだった。だが昨年からは変えなくなった。「最近は何でも一緒だなと思う。結局、タイミングが合うことが大事なんです」。日本代表候補に選ばれた今回も「12月中に打ったり、早く仕上げようと思う」と口にしながらも、実のところは例年通りのマイペース調整だった。肩書が加わっても、角中らしさは変わらなかった。

 心の針が大きく振れることがない。日本航空二高時代、授業で小型機に乗って大空を飛んだ時も「そこまで感動はなかった。別にパイロットになりたいとも思わなかった」と平然としていた。野球で泣いたことも高1年の夏の県大会で敗れて以来、記憶がない。プロ初打席は「足が震えた」と緊張したが、それ以降は硬くなることはほとんどない。

 世界舞台において、この鈍感力は大きな武器になりえる。「国を背負ったことがないので、その時にならないと分からない」。WBCという戦場で、抜く角中の刀は鋭敏なはずだ。【広重竜太郎】

 (2013年1月16日付日刊スポーツ紙面掲載)









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