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侍ジャパンメンバー

投手 杉内 俊哉

#18 Toshiya Sugiuchi
杉内 俊哉

(C)NPB/BBM2013

所属 巨人
今季年俸 5億円
投打 左左
生年月日 1980/10/30
出身地、経歴 福岡、鹿児島実-三菱重工長崎-ソフトバンク
身長・体重 175センチ・82キロ
2012年成績 24試合、12勝4敗0S、防御率2.04
五輪、WBC出場歴 シドニー五輪、 第1回WBC、北京五輪、第2回WBC

力抜き直球、全力で変化球

杉内 俊哉

 杉内俊哉投手(32=巨人)と初めて対戦した打者は、必ず“わな”にかかる。昨年7月27日の広島戦だった。カープ相手に7年ぶりの登板で、スタメンは当時と一変していた。「実質、初めてのようなもの。嫌な印象を与えたかった」と気合が乗った。1回を11球で終えると事件は起きた。

 2回、マウンドに向かう。すると、広島ベンチがもう円陣を組んでいた。プロ同士の対戦とは思えないほどタイミングが合わない。直球は、ミットに収まってから空振りする「着払い」。変化球は、空振りしてもまだ、ボールが来なかった。13奪三振で、うち10個が変化球、しかもオール空振りで…ともてあそんだ。

 何を仕掛けたのか。ヒントはマウンド上にあった。プレート板から一塁側ベンチ方向に向かって、鋭利な刃物で切り裂いたような一筋の跡ができていた。「マウンドからこの足が生えているイメージ。ベターッと」つけた左足のスパイクで、外側に向かって強くプレートを蹴っている証拠だった。一方で、変化球で三振を重ねる杉内は、三塁側によろめく場面が目立った。

 杉内は2種類のフィニッシュを使い分ける。だから打者は目の錯覚を起こす。

 直球を投げるときは、あえて体重を前に乗せきらず、外側に逃がす。変化球は直球と逆で、左ひざを右ひざにぶつける勢いで絞り込んでくる。全身で投げ込むから体勢が崩れる。巨人の内藤トレーニングコーチは「動作のセオリーとは逆の動き。力を逃がして直球を投げ、全力で変化球を投げる。だから打者は目の錯覚が起きる。杉内独特のテクニック」と説明する。

 本人は言う。「力を入れるのは簡単なこと。チェンジアップは、コントロールなんて気にしない。真ん中狙いで思い切り腕を振る。スライダーもそう。低めしか考えない。一番難しいのは、力を抜くこと」。前回WBCは要所の中継ぎで6回 1/3 を無安打、無失点だった。「普通の人なら、心臓が飛び出てしまうのではないかと。そのくらい緊張する。特にキューバはスイングが速くて」とするが、この言葉も“わな”。大芝居を打つ。【宮下敬至】

 (2013年1月31日付日刊スポーツ紙面掲載)









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