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侍ジャパンメンバー

捕手 炭谷 銀仁朗

#27 Ginjiro Sumitani
炭谷 銀仁朗

(C)NPB/BBM2013

所属 西武
今季年俸 5700万円
投打 右右
生年月日 1987/7/19
出身地、経歴 京都、平安
身長・体重 180センチ・93キロ
2012年成績 139試合、0本塁打、23打点、0盗塁、打率.194
五輪、WBC出場歴 なし

「Mかな」本塁激突が楽しみ!

炭谷 銀仁朗

 野球を始めた時から、炭谷銀仁朗捕手(25=西武)の辞書に「よける」という単語はなかった。ホームベース上でのクロスプレー。「捕手にとって、醍醐味(だいごみ)」とさえ語るブロックは、時に大きな危険を伴う。それでも、炭谷は新語として加える可能性を真っ向から否定する。

 炭谷 逃げようと思ったことはないですし、これからもないです。相手も同じ人間。刃物を持って突っ込んできたら話は違いますけど、生身対生身なので。

 昨年10月4日の楽天戦。あの日も、そうだった。猛烈な勢いで本塁に突っ込んできた楽天フェルナンデスのタックルに対し、真っ正面からブロック。頭を地面にたたきつけられ、意識が飛んだ。記憶が戻ったのは、担架で運ばれ、救急車に乗る直前だった。「死ぬところでしたね。次、ああいうことが起きたら? 普通にブロックするでしょうね」と断言した。

 「よけない」理由を聞かれても、答えに詰まる。唯一、絞り出した言葉は「ケガをしにくい体質なんですよ、僕は」。やんちゃだった幼少時代、体を強打しても「アオタンさえできなかった。ほんま不思議なんです」と笑った。

 “ずぶとさ”に磨きをかけたのは、両親からの厳しい教育だった。小学生の時、中耳炎になっても、スイミングスクールの欠席を許可されず。「そんじょそこらの病気じゃ、休ませてくれなかった」と振り返る教育方針が、忍耐強さとたくましさを増幅させた。昨季も左足の甲を亀裂骨折しながら強行出場。「痛いけど、プレーできた」と簡単に言うが、心と体の強さがあったからだった。

 この1年、本塁上での激突を繰り返してきた男は、ある変化を明かす。「自分ではずっとSだと思ってたんですけど、ほんまはMなんじゃないかと。たまに、クロスプレーを楽しみにしている自分さえいる」と爆笑した。昨年11月のキューバとの親善試合では、初戦に先発出場。マスク越しに強靱(きょうじん)な肉体を誇るキューバ選手を見たが、恐怖心はなかった。「来る者拒まずです」。【久保賢吾】

 (2013年1月30日付日刊スポーツ紙面掲載)









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