ヤンキースのイチローが19日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のプエルトリコ戦で日本が犯した重盗失敗について、走者の目線から語った。

 2点を追う8回1死一、二塁で一塁走者の内川(ソフトバンク)が飛び出してアウトになったが「あの場面であのスタートができるのはすごい」と思い切りの良さを評価した。

 二塁走者の井端(中日)が引き返したのを見て内川も戻るべきだとの指摘は「(一般的には先行走者を)見ながら戻れる。ほとんどの捕手に対してはできるが、(Y・)モリーナには無理」と一蹴した。

 重盗で一塁走者は二塁走者の動きに反応する。単独盗塁よりスタートが遅れる条件の中で、大リーグ屈指の強肩捕手を相手にするには、一塁走者は好スタートを切る必要があるという。

 「行けたら行け」と走者に判断を委ねたサインには「行くなという選択はありだと思うが(走者に委ねるのは)当然だと思う」と理解を示した。「走塁は野球で最も難しい技術」が持論。日米通算651盗塁のイチローは内川の心情を思いやった。