プロレスリング・ノアがなかなか面白い展開を迎えている。斎藤彰俊の引退記念大会だった17日の名古屋大会。メインイベントでGHCヘビー級王者・清宮海斗(28)が挑戦者・杉浦貴との死闘を制し、6度目の防衛に成功した後、“事件”は起きた。

清宮や拳王らオールレベリオンのメンバーがリング上に集結。清宮が大会を締めるスピーチの最後に「すべてはノアのために!」と叫んだ直後、仲間の1人で、練習中に左足を骨折して松葉づえ姿だった小澤大嗣(28)がそのつえで清宮を背後から殴打したのだ。

ここで「チーム2000X」のジャック・モリス、ダガ、マネジャーのヨシ・タツが登場。拳王、アレハンドロ、カイ・フジムラをリングから排除した。ヨシ・タツが小澤に真っ黒な松葉づえをプレゼントすると、小澤はこれで1人残された清宮をタコ殴り。悪の軍団に寝返ったことをアピールした。

小澤はバックステージでも清宮について「俺はな、お前のことが、ず~っと嫌いだったんだよ!」と告白。さらに「清宮海斗っていう人間はな、外では『プロレスリング・ノアの若手を盛り上げていきます』とか言っちゃってるけど、実は内では若手のことをボッコボコにしてるからな、オイ! あいつはとんだDV野郎です」とまさかの告発をおこなった。

小澤自身も清宮との練習であばら骨にヒビが入り、手の親指を脱臼して靱帯(じんたい)が切れてしまったこともあったと証言。うらみを晴らすため、来年元日・日本武道館大会でのGHCヘビー級王座挑戦を要求した。

興味深いのは、小澤の攻撃がこれだけにとどまらなかったこと。小澤は自身のXに「最近清宮は暇さえあればタバコ吸ってる。バチバチのヘビースモーカー。ストレス溜まってるのかな。後輩にぶつけないといいけど」(原文まま)との言葉とともに清宮が喫煙している写真をアップした。

これには「戦ってて息切れとかしないのかな、、大きなお世話だけど、、、」「大丈夫なんかこれ」「このツイートを見て。何故か少し悲しくなりました… アスリートだから…と勘違いしていました。残念です…」「これは清宮のファン減りそうだなー」「清宮選手にタバコは合いませんね」などと否定的なコメントも集まり、まずは小澤による「清宮海斗イメージダウン作戦」は成功しているもようだ。

悪に染まり“暴露系プロレスラー”と化した小澤はどこへ向かうのか。そして清宮との元日決戦は行われるのか。目が離せなくなってきた。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)