11月上旬からノア稲村愛輝(32)がWWEで武者修行を開始した。WWEとノアのパートナーシップ強化の一環として、WWEの「道場」となるパフォーマンスセンターに入った。WWEのブランド、NXTを統括する責任者ショーン・マイケルズは「彼とリングに上がれば誰にとっても厄介者になるだろう」とSNSを通じたメッセージで、大きな期待を寄せられた。
6日に更新されたマイケルズのX(旧ツイッター)には練習風景の動画も更新され、稲村は「ここに来られてうれしい。感謝している」とあいさつ。マイケルズをはじめ、パフォーマンスセンターでコーチを務めるマット・ブルーム(リングネーム=ジャイアント・バーナード)らと握手を交わした。早速、NXT加入が決定。12日にはNXTのテレビ中継に姿をみせ、GMのアヴァ・レイン、ジョシュ・ブリッグスとともにミーティング。米メディアによると、16日にはNXTの米フロリダ州タンパ大会(放送なし)でブリッグスと組み、NXTタッグ王者ネイサン・フレイザー、アクシオム組に挑戦した。
20日のNXTでは、バックステージでレクシス・キングからアドバイスを受けた稲村はブリッグスとともにNXTタッグ王座を狙う選手たちの場外乱闘を目撃。稲村は「NXTはクレイジーな場所。オレはちょっと狂っている」と興奮気味に話した。その姿は全米を中心に世界で放送された。このままNXTタッグ戦線に殴り込みをかけそうな展開となっている。
最近のノアとWWEの提携はファンにも十分に伝わる関係性を築いている。今年は7月のノア武道館大会で、WWEのAJスタイルズが丸藤正道と対戦のために来日、8月のノア真夏のシングル祭典「N-1ビクトリー」にはブリッグス、タビオン・ハイツの2人が参戦するなど交流が継続している。WWE合流後すぐにNXTの中継に稲村が起用されるのは異例の待遇と言える。稲村がテレビマッチでNXTタッグ王座挑戦する日も近いかもしれない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)