九州場所が盛況のうちに千秋楽を迎える。初日を迎える前の時点ですでにチケットは15日分が札止め。
年6場所全90日間のチケット完売は実に28年ぶりだ。
九州場所はチケット販売を請け負う相撲茶屋が存在しない。そうしたことも影響し、集客に苦戦することが多かった。しかし今場所は、連日満員のファンでにぎわう。立役者となったのが、今年3月に九州場所担当部長に就いた浅香山親方(52=元大関魁皇)だ。残暑厳しい9月2日に福岡入りし、九州各地を奔走。福岡出身で現役時代から地元ファンに愛された知名度も生かし、PR活動にいそしんだ。
浅香山親方の奮闘に呼応するように、福岡県議会は「九州場所を応援する会」を立ち上げた。会長を務める蔵内勇夫県議は「実力と人格を兼ね備えた浅香山親方を現役時代から応援してきた」と力を込め、「伝統行事を支えていくことは地域振興につながる」と会発足の理由を説明する。
浅香山親方は今場所の盛り上がりについて「力士の頑張りが大きい。あとは地元の方々の支えや多くの親方衆の努力」と強調。その上で「この盛り上がりを来年以降も継続させていくことが大事」。今回を転機とし、九州での相撲人気をさらに高めていく。【奥岡幹浩】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)