【日本ハム】堀瑞輝「リベンジ」宮西の下で「嫌い」な走り込みと信頼のフォーク獲得で1軍完走だ
日本ハム堀瑞輝投手(26)の25年のテーマは「リベンジ」だ。10日、兵庫・西宮市内にある関学大の第3フィールドで宮西らと自主トレを公開。過去3シーズンは左肩痛の影響から不本意な成績が続いてきたが、現状は全く不安はなし。たまりきった鬱憤(うっぷん)を晴らすべく、今季は最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した21年以来となる1軍完走を目指す。
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堀が立てた25年のテーマはシンプルで明確だ。「リベンジ、見返す。本当に、ここ数年は良くないことばかり続いていたので、そこをしっかり取り返せるようにやっていきたい」。22年以降は左肩痛の影響で右肩下がりとなった個人成績。23年は5試合、24年は10試合登板にとどまったが、現状は「肩も何の問題もなく、しっかり投げられる」。もう不安はない。今季こそ、やり返す決意だ。
リベンジは3年ぶりの開幕1軍入りから始まる。「ここ数年は1軍で投げさせてもらっても結果を出せないシーズンばかり。何とか安定した投球をして、もっと投げさせてもらって1軍で始まって1軍で終われるようにしたい」。そのためには、2月の春季キャンプから積極的なアピールが必須。だから、表情をゆがめながらも必死に食らい付いたのは「本当に嫌い」なランニングメニューだ。
走りまくる宮西の自主トレに参加して、今年で6年目。「毎年のようにしんどいです。常に寝ても回復しきっていない状態です。本当に(走るのは)嫌いですね」と苦笑い。それでも先輩の背中を追って、嫌いなランニングメニューに取り組むのは「キャンプにしっかりした状態で入っていける」からだ。この日は1人で山道を走るトレイルランも敢行。その後にブルペン投球するなど肉体は日に日にパワーアップしている。
技術面でもリベンジを期す球種がある。フォークだ。きっかけはチェンジアップ習得で大復活した宮西を見て「自分も何かもう1つの武器を、という考えに至った」。昨季は2軍で金子投手コーチらに教わって試合でも投げたが、1軍では「(捕手陣から)本当にサインが出なかった…。そこまでの信頼を得ていないので、何とかキャンプ中にアピールして要求してもらえる球種に」と見据えた。
目指すはセットアッパーの奪還。もちろん宮西よりも「投げなきゃいけないですよね。もう40歳になる人に負けていたら…自分も27歳になる年で本当に後がない感じ。もっとしっかりやらないといけない」。リベンジを期す自らに強く言い聞かせた。【木下大輔】