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室伏広治(日本)

男子ハンマー投げ

室伏広治(日本)
4大会ぶりにメダルが期待される室伏広治(写真提供:フォート・キシモト)

ハンマーの“達人”、今大会に照準

 36歳の室伏広治が目指すものは何か。すでに04年のアテネ五輪で金メダル、世界陸上でも01年に銀メダル、03年に銅メダルを獲得している。

 「何年かかるか分からないですけど、“達人”になれたらいいですね」。

 客観的に見ればすでに“達人”の域に達している。00年に初めて80メートルを超えて丸11年。体や身体能力の変化に合わせて投げ方を変え、当時と今では「まったく違うハンマー投げ」だという。

 練習もユニークだ。投網や扇子を投げたり、新聞紙を片手で丸めたり。今年1月には赤ちゃんの動きからヒントを得たというトレーニングも公開した。

 「自分自身の可能性を目覚めさせるようなトレーニングを編み出す必要があるのです」。

 記録の“出し方”も変わってきた。アテネ五輪のころまではローカル試合でも80メートル超えを連発した。しかし北京五輪のころからは明らかに、ピークを夏の国際試合に持ってきている。

 今季は5月のゴールデングランプリ川崎で78メートル10、6月の日本選手権では77メートル01と80メートルに達していない。だが、これは1年前と同じパターン。昨年は8月末に80メートル99のシーズン世界最高記録をマークした。

 創意工夫により、狙った試合で狙った記録を出す。“達人”ならではの技が威力を発揮するのである。今季の世界ランキングで11位の室伏が、メダル候補と言われるゆえんだ。

 ◆室伏広治(むろふし・こうじ) 1974年10月8日生まれ。187センチ、105キロ。ハンマー投げの日本記録保持者。01年世界陸上で投てき種目初のメダリストに(銀)。04年アテネ五輪では金メダルを獲得。マラソン以外の陸上種目では戦後初の快挙だった。父重信氏もアジア大会5連覇。







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