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明成V 1年の八村32得点/高校バスケ

シュートに行く明成・八村(中央)
シュートに行く明成・八村(中央)

<全国高校バスケット選抜優勝大会:明成92-78福岡大大濠>◇男子決勝◇29日◇東京体育館

 明成(宮城)が福岡大大濠を破り、4年ぶり2度目の優勝を果たした。197センチのセンター八村塁(1年)がゴール下を制圧して32得点。2020年東京五輪出場を目指す15歳が、今大会5試合で137得点と大器の片りんを見せた。

 八村が、あどけない笑顔からは想像もつかない圧倒的な存在感を見せつけた。ゴール下でボールを受けると、ベナン人の父譲りの長い手足を生かして次々とリングに流し込む。第1クオーターだけで3連続ポイントを含む16点を決め、会場を驚かせた。スタメン唯一の1年生は、優勝に涙する先輩を横目に「決勝でも緊張しなかった。すべてが楽しかったです」とニッコリ。今大会2位の137得点でベスト5にも選ばれた。

 競技歴3年半で高校バスケ界の頂点に上り詰めた。小6までは野球と陸上を経験。身についた柔らかいボールタッチと瞬発力は大きな武器となった。試合中は闘志むき出しで、味方の上級生に指示を出すなど堂々とした姿を見せるが、コートを離れれば笑顔が絶えない15歳。大観衆を前にしたテレビインタビューでは「バスケは楽しんでやるものです」とちゃめっ気たっぷりのコメントで笑わせた。

 底抜けに明るい性格はチームも変えた。仙台高と明成で4度目の頂点に立った佐藤久夫コーチ(64)は「あのフレンドリーな雰囲気が3年生にいい影響を与え、私も学ぶことがあった」という。入学直後から大黒柱に抜てきされたルーキーを中心に、周囲がのびのびプレーできるようになったことが最大の勝因だった。

 八村にとって最初のタイトルは、スタートラインにすぎない。夢は「NBAでプレーして、東京五輪でアメリカを倒すこと」とビッグだ。まだ身長も伸びている。日本を背負って立つ可能性を秘めた15歳から目が離せない。【鹿野雄太】

 ◆八村塁(はちむら・るい)1998年(平10)2月8日、富山市生まれ。奥田中1年からバスケットボールを始め、中3で全中準優勝。明成高では入学直後から主力に抜てきされ、U-16日本代表にも選出された。家族は両親、弟、妹2人。197センチ、80キロ。血液型A。

 [2013年12月30日9時44分 紙面から]









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