日本ハム栗山英樹監督(51)が25日、さっそく「2人の大谷翔平」を実感した。入団会見後、場所を札幌ドームへ移して「投手・大谷」と「打者・大谷」と直接対決。投手大谷の球をフルスイングで空振りした後は、打者大谷に対し消える魔球?
で応戦。「ピッチャーならエースに向かってほしいし、バッターとしては4番に向かってほしい」。待望の大型ルーキー入団に「最高のクリスマス」と興奮しっぱなしだった。
夢にまで見た対決に、栗山監督の表情は緩みっぱなしだった。大谷の入団会見後、札幌ドームで行われたフォトセッション。左打席に立った栗山監督は「投手・大谷」の1球目を、思い切り空振りした。続いて、マウンドへ上がると「打者・大谷」に対し、投球動作から投げる瞬間にボールをわざと落とす“魔球”で応戦。子どものような笑顔で、この日、新しく加わった待望のチームメートを歓迎した。
栗山監督
軽くしか投げていないけど、この大谷翔平を待っていたんだ~と思ってね。マウンドに立っている姿を見ると、あれだけの打者でありながら、投手の雰囲気がものすごくある。スラッとしているけど、大きく見えるし、バランスがいい。大谷翔平が2人いたな~という感じだった。
実際に対戦することで「二刀流プラン」が決して机上の空論ではないことを、確信した。
栗山監督
現役時代、センターを守っていて、落合さんのように、打球がどこへ飛ぶのかインパクトの瞬間まで分からない打者がいたんだけど、そういう雰囲気があったね。それは、いい打者の証拠。絶対に打たれないよう“消える魔球の真っすぐ”を投げたつもりだったけど、イメージでは(糸井)嘉男が(ソフトバンクとの)クライマックス(ファイナル)ステージ(第1戦、10月17日)で打った同点2ランぐらいの当たりだった。打者ではすぐ使える。見たら使いたくなるから、打撃練習はさせないかな(笑い)。
投手としての可能性に目を輝かせながらも、左右は違えど希代の天才打者を引き合いに打席姿も、超べた褒め。興奮気味な自分自身を律するように「見ない宣言」までしてしまった。
1月11日からは2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で新人合同自主トレが始まる。「そこで見て、ある程度の方向性を出そうと思っている。一番大事なのは、変にいじらないこと。判断を間違えないように、コーチやトレーナーの意見を擦り合わせて知恵を絞りたい」。球界の宝を、いかに育てるか。慎重に育成法を見極める必要がある。栗山監督の手腕が問われるのは、これからだ。【中島宙恵】