皆様いかがお過ごしでしょうか。いよいよG1レースが地元・京都競馬場に戻ってまいりました。
大好きな京都にはKBS京都という地元放送局があり、小さい頃から親しんできました。私が小さい頃は今のように競馬番組を1レースから放送する「グリーンチャンネル」のようなものはなく、競馬を見られるのはこのKBS京都だけでした。
そんなKBS京都で先日、JRA70周年特番「YELL~馬とカケルミライ~」という番組が放送されました。栗東トレーニングセンターに勤務する厩務員さんの1日に密着するもので、この番組に推し厩舎・寺島厩舎の持ち乗り調教助手さんが出演されるので放送を楽しみにしておりました。ただ、わが家は悲しい事にKBS京都が映らない。何としても見たい私は実家に連絡して録画をお願いしました。
番組では寺島厩舎の佐々木調教助手さんと飯田厩舎の女性厩務員さんのトレセンでのお仕事と、競馬場に行って最も身近な場所でエールを送る厩務員さんの姿に密着されていました。女性厩務員さんは私が辞めてからトレセンに入られたので面識はないのですが、佐々木調教助手さんはお会いするといつも産駒によくしてくださいます。
そんな佐々木さんと担当馬のベンダバリラビア号がレースに向かう姿を見て、私自身が厩務員さんをしていた時の気持ちと重なって泣いてしまいました。それは担当馬が勝つことの喜び、無事に自分のもとに帰ってきてくれた時の安堵(あんど)の気持ちがとても伝わってきたからです。競走馬だから勝つことが一番重要な事ではありますが、まずは無事に帰ってくること。そんな思いをもって厩務員さんは担当馬をターフに送り出しています。そんな姿が映し出されていた、とてもすてきな番組でした。
こんないい番組、もっとたくさんの方に見てもらえたらええのに、と思っていたらYouTubeのKBS京都チャンネルでも視聴できることを後ほど知ったのでした(笑い)。こんだけ言うてますが、KBS京都とは何の関係もございません(笑い)。ですが厩務員さんのお仕事に興味をお持ちの方は、ぜひご覧いただきたいなと思ったのでした。
さて話題は少し変わりまして、各競馬場でG1レースのトライアルや前哨戦が行われています。菊花賞のトライアルレースといえば中山競馬場で行われたG2セントライト記念と、今年は中京競馬場で行われたG2神戸新聞杯。先に行われたセントライト記念は2番人気のアーバンシック号が中団から抜け出し重賞初制覇されました。
管理される武井調教師は相方さんと仲良くしていただいているということもありますが、私が担当させていただいていたオーシャンフリート号の産駒を何頭か管理されていたというご縁もあり、何度かお話しさせていただく機会があったので、応援には熱が入りました。アーバンシック号が中団から抜け出してきた時は思わずテレビの前で大声が出てしまいました(笑い)。アーバンシック号、関係者の皆様、本当におめでとうございます。テレビで武井先生が映るたび、何故かテンションアゲアゲになっていました(笑い)。
そして翌週に行われた神戸新聞杯。このレースにはご縁のある調教助手さんが担当馬と挑まれていました。それはバッデレイト号の担当をされている堂本調教助手さんです。一緒にお仕事をしていた先輩で、あのNHKマイルC、日本ダービーを制覇したディープスカイ号を担当されていた方です。
私が厩務員さん時代は、何か失敗した時も諭すように教えてくれはったり、私のつまらない話も最後まで聞いてくれはる本当に優しい先輩です。そんな先輩がバッデレイト号とトライアルレースに出走されるということで、うれしくなった私は思わず2年ぶりに連絡をしたのでした(笑い)。
そしてもう1人はメイショウタバル号を担当されていた上籠調教助手さんです。高松宮記念、スプリンターズSを制覇したローレルゲレイロ号も上籠調教助手さんがメインで調教をされていましたし、私の担当馬もたくさん調教していただきました。
私がトレセンに入ってすぐの頃、トレセンでのお仕事のやり方をよく教えていただきました。初めての北海道出張の時、当時持ち乗り厩務員さんだった私の調教経験を増やすため「実際に乗らないと時計感覚も分からないから」と先生にかけ合ってくださり、初めて15―15(軽めの追い切り)もさせてくれはりました。私を真ん中に両サイドを上籠調教助手さんともう1人の助手さんで挟んでの追い切りでした。20年も前のことですが今でもその感覚は鮮明に思い出します。2人に置いて行かれないように必死で、人間がいっぱいいっぱいでしたが本当にいい経験でした。そんな大変お世話になった先輩調教助手さんなのです。
そんな上籠調教助手さんが担当されているメイショウタバル号が神戸新聞杯を優勝。直線は「そのままー!」とテレビ越しながら大声で応援していると、ちょうど帰宅した相方さんが驚いていました(笑い)。本当にメイショウタバル号、上籠調教助手さん、関係者の皆様おめでとうございます。こうして大変お世話になった先輩方やご縁のある方が活躍されている姿を拝見すると、なんだか自分のことのようにうれしくなってしまいますし、とても元気をいただけます。
さて今回は菊花賞特集号。コラムを書いている現時点では次走がどこかわかりませんが(メイショウタバル号は菊花賞と発表ありましたね)、次も全力で応援したいと思います。今回はこのあたりで。ごきげんよう。