BC山梨・吉原大稀は横浜高校のチームメートがNPB選手だらけ 阪神投手の誘いで野球を再開

来季から国内独立リーグ「ルートインBCリーグ」に参入するBC・山梨(山梨ファイアーウィンズ)が2日、甲州市内で結団式を行い、36選手が参加した。

主軸候補として期待される吉原大稀捕手(23)に尋ねた。

「7人…ですね」

質問は「横浜高校の前後の学年合わせて、NPBの選手は何人?」だった。

1学年上には日本ハム万波がいて、同期には阪神及川が。さらは1学年下にDeNA度会、松本隆、巨人木下、中日津田がいる。そこまでで6人。今秋のドラフトで誕生した1学年下のソフトバンク庄子を入れれば、7人にもなる。

2学年上にはオリックス福永とヤクルト増田もいる。“猛者”たちが周囲にいる中で、吉原は肩を壊していた高校3年生の時には「卒業したら野球はせず、経営の勉強をしたいです」と夢見ていた。

その通りに明治学院大に入学するも、毎日のようにLINEしていた阪神及川からある日、言われた。

「やっぱ、野球やめるのもったいないよ。また一緒に勝負しようよ」

うれしかった。考えた。「コロナもあって、野球がいきなりなくなる生活がつまらなくて。やれる間にもう1度真剣にやらないと、将来後悔する」。そう一念発起し、社会人野球のSUNホールディングスでプレー。BC・神奈川にも挑戦した後、今年は“正式加盟前夜”のBC・山梨で練習を重ねていた。

肩もしっかり治り、球団幹部の期待も大きい。とはいえ来年は24歳だ。25歳になると一気にNPB入りの可能性は狭まるといわれている。

「来年が勝負です。まだやれることはあります。覚悟をもって1年間、プレーしたいです」

それを示すかのように、この日の結団式も最前列のど真ん中に座った。【金子真仁】