新庄監督 ちょっと育て方が違ったのかな…。ああいう決断をされたのはすごい悲しいし、一緒にやりたかった。アメリカに行っている時もやりとりはしていたし、寂しさの方が強かったかなぁ…。初めて(インスタグラムのフォローを)外したんじゃないかな…ちょっと悲しさが強くて。彼が投げる時には、ファンのためにもウチは負けない。打ち崩す気持ちを持ち続けて戦いたい。
日本ハムも推定年俸1億7000万円だった23年シーズンから“現状維持”の条件で復帰オファーをしていた。ただ、それを大きく上回る4年総額10億円規模のオファーを出したのがソフトバンクだった。「彼なりに、いろいろ迷って決断したと思う」とビジネスとしては理解できる思いもあるが、現行ルールへの疑問や見直しをしてほしい思いも当然あった。
新庄監督 プロ野球自体が、その流れになってほしくない。ポスティングで(メジャーへ)行って、いい活躍ができなくて、ソフトバンクに行くっていう流れ。そこは正直、ソフトバンクが上沢君を取りに来てほしくなかった。プロ野球のために。世話になったファイターズで活躍して(上沢が国内FA権を取得するのを)もう1年待って、さあ僕たちが何十億も出して取りに行く活躍を見せてくださいっていう形がベストだったんじゃないかな。
同様のケースは22年オフにもあった。日本ハムからポスティングでメジャーへ挑戦した有原も3年総額15億円規模の大型契約でソフトバンク入り。現在はFA権を取得していなくてもポスティングで米球界へ渡れば、FA扱いとなる。今回のソフトバンクのオファー、上沢の決断もルール上は全く問題ないが、義理人情に厚くファンを大事にする新庄監督にとっては割り切れなかった。
それでも、前に進むしかない。思いの丈は全て吐き出した。「人生いろいろあるんで。もう終わったことは忘れましょう」。球界随一のモチベーターは何事も日本一奪還へのパワーに変えていく。【木下大輔】
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