真田広之、主演男優賞！日本人３人が揃って栄冠を手にしたゴールデン・グローブ賞　各部門受賞者

[2025年1月7日11時37分]

現地時間1月5日に米ロサンゼルスで第82回ゴールデン・グローブ賞授賞式が開催され、戦国時代の日本をモチーフにしたジェームズ・クラベル氏のベストセラー小説が原作のドラマ「SHOGUN 将軍」が、テレビドラマ部門の作品賞を含む4冠を達成する歴史的快挙を達成しました。

徳川家康をモデルにした主人公を演じた真田広之は、同部門で日本人初となる主演男優賞を受賞。樫木藪重役の浅野忠信も同じく日本初の助演男優賞、鞠子役のアンナ・サワイは主演女優賞に輝き、日本人3人が揃って栄冠を手にしました。

: ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門で主演男優賞を受賞した真田広之（ロイター）

毎年1月初旬に発表されるゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦の一つとして知られ、その年のアワードシーズンを占う上でも注目されています。1943年にハリウッド外国人映画記者協会（HFPA）によって創設された賞ですが、会員の多様性の欠如や映画スタジオなどから高額の接待を受けていることが発覚するなどしてHFPAの腐敗した実態が浮き彫りとなり、同団体は2023年6月に解散。それにより長年授賞式のテレビ放送を担当してきた制作会社ディック・クラーク・プロダクション（DCP）と投資会社エルドリッジ・インダストリーズ（DCPのオーナー）が昨年からゴールデン・グローブ賞を主催することになり、今年は新体制でのアワード2年目となりました。

: ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞に輝き喜ぶアンナ・サワイ（ロイター）

: ゴールデン・グローブ賞　助演男優賞に輝き喜ぶ浅野忠信（ロイター）

テレビ部門は「将軍」旋風となりましたが、映画部門ではメキシコを舞台にしたミュージカルスリラー「エミリア・ぺレス」がミュージカル・コメディ部門の作品賞、非英語映画賞、ゾーイ・サルダナの助演女優賞、主題歌賞の最多4冠に輝きました。また、第2次世界大戦下のホロコーストを生き延びて米国に渡ったユダヤ人建築家の半生を描いた「ブルータリスト」が、ドラマ部門の作品賞を受賞。ブラディ・コーベット監督が監督賞、エイドリアン・ブロディが主演男優賞に輝く、3冠となりました。

: ゴールデン・グローブ賞授賞式　「エミリア・ぺレス」で助演女優賞のゾーイ・サルダナ（ロイター）

: ゴールデン・グローブ賞授賞式　「ブルータリスト」でドラマ部門主演男優賞のエイドリアン・ブロディ（ロイター）

ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞を受賞したのは、元人気女優が老いによる仕事の減少から新しい再生医療に手を出す「サブスタンス」での怪演が話題となっていたデミ・ムーア。45年のキャリアで初受賞となりました。ムーアは壇上で、「本当に予想していませんでした。今はただ驚いています。俳優として何かを受賞するのは初めてで、とても恐縮し、感謝しています」とスピーチ。「30年前、プロデューサーからポップコーン女優だと言われました。当時の私は、成功して大金を稼ぐ映画に出ることはできても、これ（受賞）は許されないことだと決めつけていました。そしてその考えが徐々に私をむしばみ、数年前にはやるべきことをやり切ったかもしれないと思うようになりました」と話し、どん底にいた時に魔法のような脚本と出会ったと明かし、大きな拍手が沸き起こりました。

: ゴールデン・グローブ賞授賞式　「サブスタンス」でミュージカル・コメディ部門主演女優賞のデミ・ムーア（ロイター）

一方で、ブロードウェーミュージカルを映画化して高い評価を受け、ミュージカル・コメディ部門の作品賞や主演女優賞、助演女優賞など4部門にノミネートされていた「ウィキッドふたりの魔女」は、昨年から新設された興行成績賞「シネマティック・ボックスオフィス・アチーブメント賞」を受賞する1冠に終わりました。

【千歳香奈子】（ニッカンスポーツ・コム／芸能コラム「ハリウッド直送便」）

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