<リオ五輪:陸上>◇21日◇男子マラソン

 力の差が、そのまま結果に表れたね。2時間6分台が当たり前の中、日本選手が厳しいレースを強いられるのは予想されたこと。地力のなさは集団の中での駆け引きや細かい位置取り、給水所でのペースアップで余裕のない走りに表れた。ただ選手を責めるのは酷かな。冬のマラソンで9分台しか出せなかった選手を代表に選ばざるを得なかったのは、われわれ指導者や陸連の問題だ。

 東京五輪を見据えて今から強化を図っても、間に合わないだろう。韓国は88年ソウル五輪に向けて強化を図ったが、10年後ぐらいに結果が出た。今大会で男女6人のうち5人がトップ10入りした米国も、強化開始から10年かかっている。

 でも地元開催で結果を求められる。ナショナルチームは存続させていい。夏のマラソンで結果を出した選手を選ぶ。ペースメーカーに慣れすぎる状況も再考していい。早熟のお国柄だから、若い頃にむちゃな練習をしてでも体を作ることがあってもいい。代表選出は低調なら、枠を削る厳しさがあってもいい。今こそ英知を結集して、大胆な意識改革が必要だと思う。(84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪出場)