水は浴室からあふれ、自室を浸水、さらにリビングまで流れ出した。リオのホテルは記者3人宿泊の3LDK。前夜のチェックイン直後から悲劇は起きた。お湯が出ないと思ったら、何と給湯器のガス管が取り付けられてない。真夜中で管理業者はいない。翌朝、覚悟を決めて水のシャワーを浴びた後、さらなる悲劇に見舞われた。
五輪開幕前から絶望的な気持ちのまま、リオ空港で射撃代表の松田知幸を出迎えた。開会式翌日6日が決勝。08年北京、12年ロンドンと3大会連続で日本人大会第1号メダルを期待される神奈川県警警部補。各国を転戦するだけに海外のトラブルには動じない。「たとえお湯が出なくても、水を浴びればいい。ブラジルは冬でも暑いから。何事も気にしないことです」とたくましい。松田を見習おう。我慢、忍耐、不動心。リオで人間の幅を広げたい。【田口潤】