【興国と明星】波乱含み大阪大会 ベテラン堀まどか記者が古豪2校に迫る【6日開幕】

大阪の夏に、波乱は起きるのか? 今春の近畿大会府予選で、大院大高が履正社、大阪桐蔭を破って、初めて頂点に立った。いつもと違う夏になるかもしれない、と注目される大阪大会は7月6日に開幕する。1960~80年代にかけて「私学7強」と呼ばれた興国や明星など、伝統校もそれぞれの夏を迎える。明星が初戦を突破すれば同14日予定の2回戦で顔を合わせる両校の、今の取り組みを聞いた。

高校野球

【興国】49年ぶり頂点へ

今春の近畿大会府予選で、大院大高が初めて頂点に立った。

4回戦で履正社、準々決勝で大阪桐蔭を撃破。興国が準優勝で続いた。

酷暑の天候予想同様、大阪の勢力図を塗り替える熱い夏になるのだろうか。

高校野球ファンは、興味津々で開幕を待つ。

ただ、大阪・枚方市のグラウンドで練習に打ち込む興国ナインに「大阪準優勝」の高ぶりはない。

日々の、目の前の練習にひたむきに取り組んでいる。

春季大阪府予選で決勝進出を決めて校歌を歌う興国ナイン=2024年5月11日

春季大阪府予選で決勝進出を決めて校歌を歌う興国ナイン=2024年5月11日

そんな部員たちを見守る監督、喜多隆志(44)は「手応えは、ないですよ」と天下取りの可能性を笑って打ち消した。

「自分たちに何ができるのかを、どれだけしっかり準備できるのかというところにこだわっているので。自分たちで崩れない、自滅しない。じゃあそのために何をしたらいいのかを、学校生活を含めて考える。うちの強みは、自滅しないというところ。その準備にすべてを。学校生活、私生活、グラウンドでの野球を含めて、すべてつなげてチーム作りをしています」

喜多には、多彩な顔ぶれの指導陣という心強い仲間がいる。

「バカなことを…」苦い経験から学んだこと

その1人で、スーパーバイザーを務める元オリックスの三木仁は慶大時代からの盟友。

喜多とは違った視点から物事を考え、野球部の運営を進めていく三木の存在は、大きな気付きをもたらしている。

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古代の王国トロイを発見したシュリーマンにあこがれ、考古学者を目指して西洋史学科に入学するも、発掘現場の過酷な環境に耐えられないと自主判断し、早々と断念。
似ても似つかない仕事に就き、複数のプロ野球球団、アマ野球、宝塚歌劇団、映画などを担当。
トロイの 木馬発見! とまではいかなくても、いくつかの後世に残したい出来事に出会いました。それらを記事として書き残すことで、のちの人々が知ってくれたらありがたいな、と思う毎日です。