ベテランの山崎は、サッカーのエリートから格闘家に転向した異色のキャリアを持つ。10年10月からKrushに参戦し、佐藤嘉洋、中島弘貴、松倉信太郎ら強豪としのぎを削り、Krushの常連選手に。17年9月にBigbangスーパーウエルター級王座を獲得するも、18年9月の試合を最後に一時リングから離れたが、22年3月に復帰した。今年10月のBigbangでは松下大紀に判定負けを喫している。
1R、高木はプレスをかけながら左フックで山崎を吹っ飛ばす。下がりながら山崎はカーフキックやフックを返すも、高木の圧が強い。高木はボディフック、三日月蹴りをたたき込む。山崎はパンチで反撃も、高木の猛攻を耐えるのが精いっぱいか。
2R、高木はボディ、カーフキック、右フックを顔面とラッシュをかける。山崎は左フックを飛び込みで放つもガードの上。すると高木は飛び右ヒザ蹴りを顔面へ入れて、山崎がダウン。立ち上がった山崎にパンチのラッシュをかける高木は、二度目のダウンを奪う。山崎が立ち上がったところでラウンド終了。
3R、一気に勝負をかける高木は、ボディ打ち、ヒザ蹴り、右のオーバーフックと畳みかける。粘っていた山崎だが、高木がカーフキックで崩して倒すとレフェリーが試合をストップした。
王座を守った高木は「応援来てくれてありがとうございます。メイン、面白くないですか? 谷山プロデューサー、次は負けそうな相手でもいいので、強い相手でも戦います。よろしくお願いします」とあいさつした。
▼第19試合メインイベント<1>Sウエルター級王座戦3分3Rビッグバンルール
△藤村大輔(K-1GYM SAGAMI-ONO KREST/BigbangSウエルター級王者) 判定0-1※29-30、29-29×2 △大輝(ハリケーンジム/元Bigbangウエルター級王者)
※藤村がドローで防衛に成功した
藤村は15年8月にKrushで栗原圭佑からKO勝ち。以後、Krushを主戦場にキャリアを重ねる。20年8月にマイク・ジョー、11月に城戸康裕と対戦して連敗も、22年10月に夜叉猿から勝利を収めると、23年6月のBigbangでジョージを破り、スーパーウエルター級王座を奪取した。24年5月の「第5代Krushスーパーウエルター級王座決定トーナメント」では準決勝で璃久に判定負けとなった。
大輝は地下格闘技やAJKNで試合を重ね、プロ3戦目で元MA日本ミドル級王者・井原浩之を判定で下してAJKN王者に。23年4月に野村太一を破ってBigbangウエルター級王座を獲得。12月に体重超過の上、畠山隼人に判定負け。今年3月にBigbangウエルター級王座防衛戦を行ったが、高木覚清に敗れて王座から陥落し今回は階級を上げて巻き返しを狙う。
1R、藤村は徹底してカーフキック、ローキックで足を崩す作戦。大輝は足が流れることもあるが、こちらも徹底してパンチでボディを何回もたたいた。ほぼ互角のラウンドとなる。
2R、藤村はミドルキックでボディ狙い。大輝はボディから顔面へパンチを打ち分けた。そして大輝はボディへヒザ蹴りを突き刺す。藤村は徹底してローキックで崩しにかかる。大きな差はないが、大輝のパンチと藤村のローキックのダメージ合戦となる。
3R、藤村は上中下に蹴り分ける。大輝はローキックのダメージがあるのか痛そうな感じも、フックで追い込む場面が飛び出す。それでも藤村はローキックでダメージを与え、右のパンチを返した。大輝は最後まで打ち合いに持ち込むが、判定はドローとなった。
ドロー防衛になった藤村は「しょっぱい試合ですが、一応、防衛できてホッとしています。ジムの代表が変わってプレッシャーがあったんですけど、防衛できてホッとしています」とあいさつした。
▼第18試合ライト級王座戦3分3Rビッグバンルール
〇目黒翔大(優弥道場/Bigbangライト級王者) TKO・2R2分23秒※レフェリーストップ ●林京平(湘南格闘クラブ/元Bigbangライト級王者)
※目黒は王座防衛に成功
▼第17試合フェザー級王座戦3分3Rビッグバンルール
●竹添翔太(インスパイヤードモーション/Bigbangフェザー級王者) 判定0-2※28-28、28-29×2 〇宮崎勇樹(FLY SKY GYM/MA日本キックフェザー級王者)
※宮崎が新王者となった
▼第16試合Sフェザー級王座決定戦3分3R延長1Rビッグバンルール
●龍斗(RAUSU GYM/元Bigbangフェザー級王者) 判定0-3※26-28、25-30×2 〇平澤優聖(士道館植野道場/MA日本キックライト級王者)
※龍斗は、前日の公式計量に現れなかったため失格。規定体重を3キロオーバーのため、グローブハンディ、減点2でスタートし、平澤が勝利した場合のみタイトル獲得。
▼第15試合バンタム級王座戦3分3Rビッグバンルール
〇板橋武留(健成会/Bigbangバンタム級王者) 判定3-0※29-28、29-29、29-30 ●井上海山(POWER OF DREAM/K-1バンタム級)
※板橋は王座防衛に成功した
◎谷山俊樹の引退セレモニー
第14試合終了後、WKA&WBKF世界スーパーライト級、初代Bigbangスーパーライト級、ISKAインターコンチネンタル63キロ級を制した谷山俊樹の引退セレモニーが行われた。
谷山は父親からBigbangのプロデューサーを譲り受け、新体制でスタートした。セレモニーでは武尊、卜部弘嵩、卜部功也ら、選手・関係者が花束を贈呈した。
リングに上がった谷山は、「プロ格闘家として47戦、アマチュアを含めると100戦ほど戦って来ました。選手はリングでの戦いを美化されますが、裏では過酷な練習や減量、けがで入院など辛いことが多かったです。孤独との戦いで、一睡もできない日もありました。こうして選手として16年間、格闘技をやることができて感謝しています。そして、このリングに上がる選手にリスペクトを送ります。現役選手の僕が、うらやましいと思えるようなBigbangを作っていきます。選手ファーストのBigbangにしていきます」とあいさつをした。