元世界王者の徳山昌守氏がジム開設「井上尚弥、井岡一翔、本格的なチャンピオンを作りたい」

  • 知人の娘さんを相手にミット打ちを披露する徳山会長(撮影・実藤健一)
  • ジム開きで知人の娘さんを相手にミットを受ける元世界王者の徳山会長(撮影・実藤健一)

ボクシング元WBC世界スーパーフライ級王者・徳山昌守氏(50)がジムを開設した。「徳山ボクシングジム」が2日、東大阪市でジム開きを行った。

近鉄、JR河内永和駅から徒歩約1分という好立地。「いつかはジムをやりたいと思っていた」という徳山氏は、昨年4月ごろから物件探しに奔走し、1年半以上をかけて理想の拠点を決めた。プロボクシングのジムとしては、来春の加盟を目指している。

在日朝鮮籍3世の徳山は00年8月に世界王座を奪取し、1度陥落しながらも返り咲いた。07年3月に引退後は大阪市内で焼き肉店を経営するなど実業家に転身した。「ボクシングしかできない男になるのはもったいないと思った。いろんなことに挑戦して、いずれはボクシング界に恩返ししたいと思っていた」。

ただ、ジム経営の難しさに早くも直面しているという。「今日も朝からバタバタです。(入門)希望者は今日も何人か来たけど、受け入れる体制ができてから来てくれと。こんなに大変とは思わなかった」と苦笑いを浮かべた。

ただ、目標はしっかりと高く掲げる。「教えるのは嫌いじゃない。向いていると思います。井上尚弥、井岡一翔、本格的なチャンピオンを作りたい」。徳山昌守は? に「そんなやついましたね」と笑わせた。

現役時代も苦労を重ねて世界王者まで上り詰めた。その経験は必ず生きる。「自分の時は『死んでもいいからあのベルトを取る』と言っていたが、教える立場になってからは無事に待っている人に送り届けることが最も大事と痛感している。『打たせずに打つ』ボクシングを教え込みたい」。

現在、日本のボクシング界は完全な東高西低。その勢力図にも風穴を空けるべく、徳山会長が動き出す。【実藤健一】