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羽生善治九段「これをきっかけに…」次の「100」見据える 甲子園エールに気持ち新た

羽生善治九段と藤井聡太7冠の甲子園での記念対局の模様は大型スクリーンに映し出された(2024年12月8日撮影)
羽生善治九段と藤井聡太7冠の甲子園での記念対局の模様は大型スクリーンに映し出された(2024年12月8日撮影)

日本将棋連盟と阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)が創立100周年を迎えたことを記念した同連盟会長の羽生善治九段(54)と藤井聡太7冠(22)の「100周年記念対局」が先日、甲子園球場の貴賓室で行われました。会長&棋士として大役を果たした羽生九段は、「かっ飛ばせー! ハ~ブ!」の甲子園エールを受け、次の「100」を見据えました。

ともに1924年(大13)にスタートした同連盟と甲子園球場がコラボし、野球の聖地で世代を超えた2大スターの「夢の対決」が実現しました。約3800人の観客が大型ビジョンに映る対局風景や谷川浩司17世名人(62)らによる大盤解説を楽しみました。終局後には、大の阪神ファンの谷川17世名人の提案で羽生九段、藤井7冠に「かっ飛ばせー! ハ~ブ!」「かっ飛ばせー! フ・ジ・イ!」の甲子園エールが送られました。

記念の一局を白星で飾った羽生九段は甲子園エールに「新鮮な経験をしました。野球選手の気持ちを実感しました」と笑顔を見せ、「こういう場所で対局できることはめったにない。いい記念になった」と感慨深げに話しました。

昨年6月に同連盟の会長に就任した羽生九段「将棋の世界は長い歴史のある世界ですが、技術的なことは人工知能(AI)を含め、速く進んでいる。取り入れるべき技術は取り入れて、継承するべきことは残していって、次の世代に良い形で継承していきたい」と会長として次の「100年」を見据えました。

現役棋士としての立場から「自分自身も棋士として、そういうところに費やせていけたらいいなと思う」。

全7冠同時制覇、永世七冠達成など数々の金字塔を打ち立ててきた棋界のレジェンド。現在、獲得タイトルは歴代最多の通算99期です。前人未到の通算100期まで、あと1期です。現役棋士と会長の兼務は、想像以上にハードワークの日々が続きますが、記念対局で見せた緩急自在の指し回しは健在です。

節目の「100」に向けて「まだ具体的に近いものがあるわけではない」としつつも、100年に1度の特別な舞台での白星に「これを1つのきっかけにして目指していければいいなと思います」。甲子園エールに気持ちを新たにしました。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

100周年記念対局の感想戦であいさつをする藤井竜王・名人(右から3人目)(2024年12月8日撮影)
100周年記念対局の感想戦であいさつをする藤井竜王・名人(右から3人目)(2024年12月8日撮影)

 ◆村上久美子(むらかみ・くみこ) 大阪(泉州)生まれ。91年入社。関西の芸能社会を中心に取材。吉本興業、宝塚歌劇、短期間ながら阪神タイガースと、関西発の3大ホットコーナーをはじめ、NMB48まで、取材歴は20年以上。

 ◆松浦隆司(まつうら・たかし) 大阪生まれ。92年入社。関西を中心にスポーツ紙の社会面担当としてエロから政治まで、ダークサイドも含め取材歴は20年以上。和歌山毒物カレー事件、橋下徹前大阪市長は茶髪弁護士時代から取材。

 ◆三宅敏(みやけ・さとし) 大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。11年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、22年から記者として復帰。演芸(お笑い)を中心に取材。好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。

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