「こんなところで裏切り飯」は、伊武演じる全国展開する大手・榊原ホテルグループを一代で築いた豪腕社長・榊原総一朗の元に前任の産休代理の秘書としてやってきた、志田演じる新人・小野寺真理子が、出張アテンド役に任命されるところから物語が始まる。真理子は出張先で、常に手にする自身のノートから“裏切り飯”を紹介。グルメな榊原の舌をうならせるだけでなく、鋭い洞察力で実績とこわもてで社内の人間から恐れられる榊原が、実は社員たちに本心を打ち明けられないことに気づくなどし、心をつかんでいく。第1作の10話で、正規の秘書が産休から戻って来たため任期を終えて退社したが、榊原に東京・浅草でパンケーキをごちそうされた。送別された直後に「私は、まだ驚きが必要だ。裏切りが必要だ。君が必要だ」と呼び止められ、秘書課出張係として復帰した。
実在する飲食店で撮影する都合上、営業時間前の朝から、多い時は1日2店舗、撮影することもあったという。伊武が「食べたい時じゃない朝に、肉を食う…自分の中で抵抗のあることをやらないといけないので、簡単に言うと、つらい」と笑うと、志田は「私は食べるのが大好きなので結構、朝からいける」と胸を張った。「いろいろなものを食べられるのが、本当にうれしくて、カメラが回っていない時も、ずっと食べていました」と振り返った。
今作で、真理子は秘書課出張係の係長として榊原の出張先のアテンドや仕事のサポートをしていたが、榊原が体調を崩し入院。社長不在の中、ともに出張に出向くことになった社長の座を狙う、一癖も二癖もある七人の役員たちに、真理子が“裏切り飯”で立ち向かう。志田は「毎回、クセが強い役員さんが登場し、さらにパワーアップしたドラマになっています」と説明。伊武は入院シーンを踏まえ「みんな、うまいものを食べている間、病院の飯を食っているわけじゃないですか。榊原にとって、こんなにつらいことはない。病院で飯を食うシーンが楽しみで」と笑った。
全国版からレギュラー出演する前田は、真理子の部下の新庄凛太郎を演じる。遠慮ない発言や態度が反感を買い、さまざまな部署でもめ事を起こしてきた問題児で「コスパ」や「タイパ」を重視し、何より食事を悩む時間を「無駄」と捉えるなど食事に全くこだわりがなく、そのほとんどがコンビニで買うゼリー食というイマドキ社員だ。
前田は「地方の遠征では、名物を食べたくなってしまう。あえて名物じゃないものを食べるのが、面白いと思う。どんなものがあるか楽しみ」と期待した。父がイタリア料理のシェフで「小さい頃からメチャクチャ、パスタばかり食べていました」というが、実はグルメドラマには初出演。「どうなるんだろう? 食べるシーンとか、タイミングが難しいので苦手意識があった。不安があるので、教えてもらいながら頑張る」と口にすると、志田が「本当においしいから、大丈夫」と優しく背中を押した。
全国版の放送決定を受け、1月期に放送されたローカル版の「こんなところで裏切り飯」が、4日から31日までTVerで無料配信がスタートする。【村上幸将】
◆「こんなところで裏切り飯~嵐を呼ぶ七人の役員~」「榊原ホテルグループ」を率いる豪腕社長・榊原総一朗(伊武雅刀)が突然、病に倒れ、後継者とうわさされる7人のくせ者役員が榊原の代理を務めることに。後継者争いをめぐり暴走する役員たちに社内は大混乱。その中、グルメな榊原を数々の絶品「裏切り飯」でうならせてきた秘書・小野寺真理子(志田彩良)が「お任せください。この小野寺真理子が、何とかしてみせます」と、役員を相手に立ち上がる。その中、秘書課には新たに若手社員・新庄凛太郎(前田拳太郎)が配属されるが、とにかく非効率を嫌い「僕、間違ってますか?」と何かと反発。次々と襲いかかるピンチに、真理子が繰り出す、驚きの「裏切り飯」とは!?