篠山紀信さん誕生日に「偲ぶ会」400人出席 会場にジョン&ヨーコ夫妻写真 野田秀樹氏が弔辞
1月4日に老衰のため83歳で亡くなった、写真家の篠山紀信さんの「偲ぶ会」が、誕生日だった3日、都内で執り行われた。
松本白鸚夫妻、中村勘九郎、七之助兄弟、真琴つばさ、真矢みき、西田ひかる、長塚圭史ら、芸能界をはじめ各界から400人が出席。芳名板にはオノ・ヨーコ、ショーン・レノン親子、松田聖子、宮沢りえ、吉永小百合ら著名人の名前が多数、並んだ。
会場には生前、篠山さんが愛用していたカメラが設置され、そのカメラを手にした若き日の篠山さんの写真と、ジョン・レノン、ヨーコ夫妻の写真が飾られた。司会は、篠山さんの次男で俳優の輝信とNHK「あさイチ」で共演した、フリーアナウンサー有働由美子が務めた。
弔辞を読んだ野田秀樹氏は、カフェで弔辞を書こうとパソコンを開いたところ、「パソコン禁止」と店員に言われたために手書きで一発で書いたというエピソードを明かすなど、笑いあり涙ありのものとなった。
また、市川團十郎やコシノジュンコ氏、そして篠山さんの大人気連載「激写」シリーズに75年に初登場した水沢アキが、相次いでスピーチした。團十郎は、自身が17歳のころから篠山さんに撮影してもらっていたといい「17歳の私って、結構わんぱくだったんですけど、一番気になったのは、髪形。『この髪形、本物なのかしら?』と思いまして、17歳のときにちょっと引っ張ってみようと思ったら…。先生いつもは怒らないんですよ。でもすごく怒りまして。『やめろ!』って。どうもすみません。本来だったらやめるんですが、そこでもお怖気付かずに行くのが私若い頃だったんですけど、2年間時間をおきまして、さまざまな楽しい場所に連れてっていただいて先生のご機嫌な時にもう1回挑戦しよう、ということで、もう1回こうクッ! っていったら、その時も怒られました。どうもすみませんでした」とエピソードを明かした。
会では、篠山さんの幼少期から生い立ちをまとめたスライドも上映。「写真を撮りに行く時に僕の気持ちはいつも晴れてるんですよ。その対象に向かって、それが人であろうと風景であろうと事件であろうと」などと語る、インタビュー映像も流された。
会のラストは遺族代表として長男の篠山有紀さんがあいさつ。常に忙しかった篠山さんを父に持つ率直な気持ちを言葉にした。