さらに「私、当時はアイドル歌手でして、ヌードは厳禁です。マネジャーが仁王立ちになってチェックしていたので、先生はやりにくかったと思います。でもすごいんです。白のTシャツを着ました。下着はつけていません。そうしたら、お化粧いやだから海に行って水で取って、それからメークも全部流して、髪も水につかって。とにかく自然と一致する、一体になってと言われたんです。そして『じゃあ上がってきてね』って言って、上がったその瞬間パチパチパチって撮った何枚かが今、皆さまの思い出に、心に残る衝撃の一枚になったと思います。当時、ヌード以上の衝撃の写真になりました」とエピソードを明かした。
水沢は2020年に、65歳で最後のヌード撮影を行ったが「そのとき『自宅から見える桜がきれいだよ』っていう話をしたら、じゃあアキちゃんの家行こう! っていうことで小学館の方とか篠山事務所の中村さんが掃除してくれて、最後にうちのリビングで撮ったのが先生、最後でしたね」と振り返り「19歳から65歳までの46年間の私を一冊の写真集にしたのが今も出版されてますので、まだ見たことのない方。篠山先生のカメラ技法がつまった1冊になってますので、ぜひご覧ください」と話した。
水沢は「先生はご家族のことをすごく大事にしていらっしゃいました。いつも言ってましたよ。もう沙織ちゃん大好きなんですよ、先生。いつも照れながら質問に答えてくれて、楽しくお話を伺っていました。なんかトリなのに全然取り留めもない変な話でごめんなさい。先生、今私がここにまだいるのは先生のおかげです。本当に感謝しかない。ありがとうございました。どうも皆さんありがとうございました」と感謝していた。
「偲ぶ会」には松本白鸚夫妻、中村勘九郎、七之助兄弟、真琴つばさ、真矢ミキ、西田ひかる、長塚圭史ら、芸能界をはじめ各界から400人が出席。芳名板にはオノ・ヨーコ、ショーン・レノン親子、松田聖子、宮沢りえ、吉永小百合ら著名人の名前が多数、並んだ。会場には生前、篠山さんが愛用していたカメラが設置され、そのカメラを手にした若き日の篠山さんの写真と、ジョン・レノン、ヨーコ夫妻の写真が飾られた。司会は、篠山さんの次男で俳優の輝信とNHK「あさイチ」で共演した、フリーアナウンサー有働由美子が務めた。