第18回ドイツ大会
日本敗退の10日後、中田引退
その瞬間、MF中田英寿(29)はピッチに倒れ込んだ。号泣した。なぜ...。その理由は、日本の3度目のW杯が終わった10日後に分かった。
W杯ドイツ大会は史上最強の日本代表メンバーがそろっていた。代表23人のほとんどが、10代から世界大会で経験を積んできた。96年アトランタ五輪でブラジルを破り、99年ワールドユース選手権で準優勝。そして02年W杯決勝トーナメント進出...。W杯経験者11人を擁する今大会は、黄金世代と呼ばれたメンバー挑んだ。中田、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一の「黄金の中盤」。そしてブラジルの英雄ジーコが監督。日本中が期待した。
1次リーグ。
第1戦 豪州に1-3で逆転負け。
第2戦 クロアチアに0-0のドロー。
そして第3戦。日本は、王者ブラジルに真っ向勝負を挑んだ。FW玉田のゴールで先制した。だが、前半ロスタイムにFWロナウドの同点弾を浴びた。後半に入るとブラジルの猛攻は止まらない。3失点。ジーコジャパンは、1次リーグ最終戦で1-4の惨敗。1分け2敗のF組最下位であっけなく終戦した。
そして10日後の7月3日。中田は突然、自らの公式ホームページ(HP)で現役引退の声明を発表した。「プロサッカーという旅から卒業し"新たな自分"探しの旅に出たい」。