舞台雑話

侮れない東京漫才 浅草「漫才大行進」ではM-1決勝初進出ママタルトら注目コンビがめじろ押し

ママタルト(2023年6月撮影)
ママタルト(2023年6月撮影)

漫才界というと、長い間「西高東低」の状況が続いていましたが、最近は東京漫才も侮れません。

ナイツの塙宣之が、数年前に東京の漫才師たちが所属する「漫才協会」の幹部となり、昨年には7代目の会長に就任しました。今年3月には塙が監督・プロデュ-スした映画「漫才協会THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々」が劇場公開されるなどの新しい企画が相次ぎ、塙の熱心な勧誘活動もあって錦鯉、オリエンタルラジオ、小島よしおらの人気者が続々と入会し、協会全体が活性化しています。会員数も200人を超えています。

先日、毎月1日から19日まで浅草・東洋館で開催されている「漫才大行進」を見に行ったところ、トリがナイツということもあって、途中からほぼ満席でした。以前は半分も埋まらずに空席が目立つ客席でしたが、このところは客足も順調のようです。「漫才大行進」は午後0時半に始まり、終わるのは午後5時ごろと、4時間半の長丁場ですが、チケット料金は大人が3000円とコスパはいいでしょう。

ただ、それだけの長い時間のため、出演するのは若手から中堅、そしてベテランまで20組で、その持ち時間は10分から15分です。中には初めて見るコンビもいたり、「ちょっと見ているのがつらい」と思ってしまうコンビも何組かいましたが、ウクレレ漫談のぴろき、ベテランの宮田陽・昇などの鉄板に笑いにはホッとします。

先日行われた「M-1グランプリ」決勝に初めて進出したママタルト、11月に漫才協会としてはU字工事以来7年ぶりに真打に昇進したオキシジェンなど、注目のコンビがめじろ押しです。30日には浅草演芸ホールで約90組が出演する3部構成の「漫才大会」が行われ、正月6日からは東洋館での初席(10日まで)が始まります。テレビではなかなか見られない東京漫才がおススメです。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

華やかな舞台、輝く役者。夢の世界であると同時に、そこには舞台裏とさまざまな人間模様もあります。演劇、演芸について、林尚之記者がさまざまな切り口から伝えます。あなたも、演劇の世界がきっと好きになります。

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