上條恒彦が誤嚥性肺炎で「一時危なかった」映画「シンペイ」舞台あいさつに手紙寄せる

  • 映画「シンペイ~歌こそすべて」公開記念舞台あいさつに登壇した緒形直人(撮影・村上幸将)
  • 映画「シンペイ~歌こそすべて」公開記念舞台あいさつに登壇した志田未来(撮影・村上幸将)
  • 上條恒彦

映画「シンペイ~歌こそすべて」(神山征二郎監督)公開記念舞台あいさつが11日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた。

席上で、エンディングテーマ「ゴンドラの唄」を歌った上條恒彦(84)が、誤嚥(ごえん)性肺炎でリハビリ中のため欠席し、手紙が寄せられた。

舞台あいさつの冒頭で、新田博邦プロデューサーは「上條恒彦さんが、ここに来て歌ってくださるはずが、去年の暮れに誤嚥(ごえん)性肺炎になり一時、危なかった。持ち直して今、頑張ってリハビリしている」と現状を説明。劇中で島村抱月を演じた緒形直人(57)が上條の手紙を代読した。

「本日は、せっかくお越しくださったのに、皆さんの前で歌うことができず、残念です。今回のエンディングテーマとして『ゴンドラの唄』を歌えたのは天からのプレゼント…切ない音楽が色あせない」

「シンペイ~歌こそすべて」は、黒澤明監督の52年「生きる」の主演・志村喬さんが歌った「ゴンドラの唄」や、プロ野球のヤクルトやサッカーJ1のFC東京の応援ソング「東京音頭」など、約2000曲を残した作曲家・中山晋平さん(1897~1952)の生涯を、音楽ととともにつづった物語。晋平役を、映画初出演&主演となる歌舞伎俳優・中村橋之助(28)が演じ、18歳から亡くなる65歳までを演じきった。

この日は、橋之助が東京・浅草公会堂で上演中の「新春浅草歌舞伎」出演のため、欠席。志田未来(31)吉本実憂(28)真由子(50)土屋貴子(59)が登壇した。

◆「シンペイ~歌こそすべて」信州に生まれ育った中山晋平(中村橋之助)は、少年時代に見た旅楽団のジンタに魅せられ、音楽の道に進むことを夢見る。18歳の時に、早大教授・島村抱月(緒形直人)の書生になる機会を得て、上京。書生の仕事をしながら苦学を重ね、3年後、難関「東京音楽学校」に入学。借金を重ねながらも卒業した晋平は、抱月の劇団「芸術座」の劇中歌「カチューシャの唄」を作曲することに。看板女優・松井須磨子(吉本実憂)が歌った曲は演劇と共に大ヒットし、女手ひとつで育ててくれた母ぞう(土屋貴子)を安心させることができた。しかし、母が突然、病で倒れてしまう。故郷へ急ぐが、死に目に会えなかった。悲しみに暮れる中、母への思いを込め、2曲目の劇中歌「ゴンドラの唄」を生み出す。