【解析料理】新潟の「鉄人」藤原奏哉のゴールに期待 出場停止なしでクラブ3位の連続フル出場
「鉄人」のさらなる奮起が期待される。アルビレックス新潟の不動の右サイドバック、DF藤原奏哉(29)は今季のリーグ戦で29試合連続フル出場中。フィールド選手では13~14年のDF大井健太郎の33試合連続、07~08年のDF千代反田充の30試合連続に次いでクラブJ1歴代3位となっている。上位2人はオフ期間を挟んでの記録で、実質的には今季の藤原が1位だ。
しかも今季はルヴァン杯の決勝トーナメントでも計4試合にフル出場し、公式戦45試合のうち42試合に出場。チームはけが人が多い中、出場停止になることもなく、クリーンファイトで常にピッチに立ち続ける。
0-2で敗れた23日の東京V戦でも、その動きの鋭さは目を引いた。ただ、出場停止にはリーチ。相手ボールを敵陣ペナルティーエリア手前で奪い返したプレーをファウルと判定され、主審に詰め寄る場面があったが、カードなしには安堵(あんど)。最後まで運動量は落ちず、逆の左サイドからクロスを上げられても藤原がしっかりと中に絞ってクリアした。身長170センチと小柄だが、ポジショニングの良さと抜群の跳躍力を武器に競り負けない。
ルーテル学院高から阪南大を経て18年に当時J3だった北九州に入団。新人年の体重は63キロだったが、新潟加入4年目の今季は70キロまで増えた。徐々にたくましくなり、当たり負けしない強さにも磨きがかかる。
今季はここまでチーム3位タイの4ゴール。DFながら得点力の高さも示す。ただ、7月6日の鳥栖戦を最後にゴールから遠ざかっており、シュートもリーグ戦で10試合続けて打てずにいる。次戦は11月2日、ルヴァン杯決勝で名古屋と対戦。クラブ初のタイトルだけでなく、J1残留のためには藤原のゴールが必要だ。【石川秀和】