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紙面企画

Ola! WorldCup

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毎週水曜日の紙面ブラジルW杯ワイド特集「Ola! World Cup」に掲載された特集記事を余すとこなくお届けします。

ネイマールは本気で金メダル狙ってた


 ロンドン五輪からW杯ブラジル大会へ-。12年五輪経験選手が、ブラジルで頂点を目指す。23歳以下で戦う五輪は、2年後のW杯前哨戦。ブラジル代表FWネイマール(22)は悲願の五輪金メダル獲得を目指しながら銀メダルに終わった悔しさを、地元ブラジルで晴らす。監督として日本代表をロンドン五輪ベスト4に導いた関塚隆氏(53)は、五輪で各国の「本気度」を体験。ブラジルとメキシコの強さを実感して「決勝対決もある」と予想した。

 ロンドン五輪日本代表監督の関塚氏は、五輪決勝に進出したブラジルとメキシコの強さを口にした。ブラジルはネイマールにオスカル、オーバーエージのフッキら、今大会の攻撃陣がズラリ。「本気で金メダルを狙っていた。実際に強かったからね。決勝で負けたショックは大きかったと思う」と話した。

 五輪終了まで欧州移籍を封印し、王国の悲願金メダルを目指していたネイマールにとって、銀メダルは屈辱だった。決勝戦後は「悲しくて仕方ない」と言うのがやっと。その後バルセロナに移籍して欧州でも活躍したが、世界一を逃した屈辱を晴らす場はW杯しかない。「ゴールすることよりも、ブラジルが勝つことが一番」という言葉に、五輪の屈辱が見え隠れする。

 「メキシコも素晴らしいチームだった。多くの五輪メンバーは控えだけど、能力は高い。カメルーン戦を見ても、かなり力があると思った」と関塚氏。実際に対戦したからこそメキシコの強さは分かる。「若い選手が出てきても、かなりやれると思う。楽しみなチーム」と話した。

 日本戦で負傷退場したメキシコのMFドスサントスは、決勝戦に出られなかった。チームは優勝を果たしたが「出たかった」。屈辱を晴らすには、W杯で活躍するしかない。「優勝したい」という裏には「今度こそ決勝戦で活躍したい」という思いがにじむ。

 五輪が23歳以下の大会になったのは、92年バルセロナ大会から。W杯が頂点に君臨するサッカー界では、「五輪不要論」や「五輪をユースの大会に」という考えがあったのも確か。しかし、国際サッカー連盟(FIFA)は五輪サッカーを維持した。前FIFA理事の小倉純二氏は「みんな五輪が好き。サッカーは五輪でも重要な競技だから」と話す。実際に、大会ごとにサッカーは盛り上がる。

 関塚氏は各国の本気度を感じていた。「南米の選手は自分を売り込むために必死。ロンドンでやったことで、欧州勢も力を入れていた」と話す。「公式の世界大会を経験する場は多くない。A代表に近い選手たちが出場する五輪は、W杯へのシミュレーションにもなる」と説明。他の大陸の国と対戦したり、都市間を移動して試合するなど、規模も含めてW杯に近い。

 ロンドンで金と銀のメダルを分けたブラジルとメキシコ。1次リーグで同組のために勝ち続ければ決勝で再び対戦することになる。関塚氏は「ドイツも強いと思うけれど」と前置きした上で「ブラジルが準決勝でドイツに勝てば、決勝はメキシコとの対戦もある」と予想した。五輪から2年、ホープからエースに成長した選手たちが、頂点を目指す。

<五輪経由W杯の星>

◆U17も制覇/ドスサントス(メキシコFW25歳)

 華麗なドリブルでDF網を突破し、強烈なシュートを打つ点取り屋。05年のU-17W杯では初優勝に導き、10年W杯では若手最優秀選手賞にもノミネート。今回のW杯は初戦カメルーン戦で2度ゴールもオフサイド判定だった。

◆2得点発進/ネイマール(ブラジルFW22歳)

 12年ロンドン五輪で6試合に出場し3ゴールと銀メダル獲得に貢献し、13-14年シーズンからバルセロナに移籍。W杯ブラジル大会では開幕戦となった1次リーグのクロアチア戦に背番号10を背負って出場し、2得点と活躍した。

◆絶妙爪先弾/オスカル(ブラジルMF22歳)

 チェルシーへの移籍が決定して臨んだロンドン五輪では6試合に出場し、1ゴールを挙げた。13-14年シーズンはチェルシーで33試合で8ゴールを挙げた。W杯開幕戦のクロアチア戦では、絶妙なトーキックでダメ押しゴール。

◆銅メダル弾/ク・ジャチョル(韓国FW25歳)

 ロンドン五輪の3位決定戦でゴールを決め、関塚ジャパンのメダル獲得を阻んだ。11年アジア杯では5得点で得点王。母国の英雄パク・チソンも絶賛する技術で、トップ下と1トップをこなす。所属のマインツではFW岡崎と仲良し。

◆1年急成長/山口蛍(日本MF23歳)

 昨年からW杯までの1年で急成長した。遠藤、長谷部の不動のボランチコンビの一角を崩す。的確なポジショニングと、厳しいチェックが持ち味。さらにはタイミングのいい攻め上がりで、ゴール機会を演出する。

◆ドリブラー/斎藤学(日本FW24歳)

 細かなタッチのドリブルで和製メッシの異名を取る。狭いスペースや長身の相手を手玉に取る動きが持ち味だ。国内組のみで挑んだ東アジア杯で初ゴールを決め優勝に貢献。海外の大型DFを相手にすれば、強みはさらに生きる。

◆決定力抜群/スタリッジ(イングランドFW24歳)

 五輪と同じ「9」を背負うレフティー。シュートは力強く、決定力は抜群だ。今季はリバプールで21得点の活躍で、点取り屋コンビ「SAS(英国特殊空挺部隊を意味するスアレス アンド スタリッジの略)」と言われるほど。

◆代役下克上/エルナンデス(ウルグアイFW23歳)

 スピードもテクニックもある左利き。五輪では1試合のみの出場だったが、所属するパレルモではレギュラーに定着し、今季14得点。セリエA昇格の原動力となった。今大会、ケガで本調子でないスアレスの代役として注目される。

◆シャビ後継/コケ(スペインMF22歳)

 スルーパスだけでなくドリブル突破からシュートも放つAマドリード一筋のイケメン万能型MF。シャビから「僕の後継者」と指名される。13年U-21欧州選手権では決勝でイタリアを破り優勝。今季5得点でリーグ優勝に貢献した。

















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