◆紙面企画
事件記者清水優 ブラジル体当たり
◆清水優(しみず・ゆたか)1975年(昭50)生まれ。38歳。東京外大ポルトガル語学科卒。98年入社。静岡支局、文化社会部、朝日新 聞社会部警視庁担当を経て、文化社会部に帰任。事件、事故など中心に行き当たりばったりながら体当たりで取材。体重95キロ。
次戦舞台クイアバでは日系人家族が応援
【クイアバ19日(日本時間20日)】日本がコロンビアと戦う第3戦の舞台となるクイアバでは、日系3世の大学教授中尾アウド信幸さん(40)が親戚約20人を自宅に集め、日本代表のギリシャ戦を応援した。
「シュータ(シュートして)!」「アイー(きゃー)!」「アー、メウ、デウス(ああ神様)!」。マンションの一室では、日系2世のおばあさんから、日系4世の孫まで3世代が、「努力」「神風」「平和」などの鉢巻きを巻いて中継するテレビに見入った。
集まったのは中尾さんの母勝子さん、妹、中尾さんの妻で医師マリさん(35)、マリさんの母、妹たち、その夫、その子どもたち。勝子さんは「日本代表がブラジルで試合をしているのを見るのは信じられないほどうれしい」と笑顔で日本コール。しかし、結果はまさかの引き分け。マリさんは「ブラジル代表も(メキシコ戦で)0-0で、今日の日本代表も0-0。悔しさが2倍です」とため息をついた。
- ベランダのシュラスカリア。しょっちゅう使うので「焼き方もかなり上達しました」
コロンビア戦は、親戚一同でスタジアムに応援に行く。クイアバでは日本代表のユニホー厶が売り切れており、地元スポーツ店で、そっくりな青のユニホームを注文してあるという。中尾さんは「1位通過が決まったコロンビアは試合で無理しない。日本にはチャンスだ。とにかくゴールに向いてシュートを打って、勝ち上がってほしい。期待して楽しみに待ってます」と話した。
- 中尾さんがかまで焼いてくれたシュラスコ(撮影・清水優)
ブラジルでは人が集まれば、シュラスコ(長い剣のような串で焼くブラジル風焼き肉)が始まる。サッカーの自宅観戦なら、シュラスコは定番メニュー。ハーフタイム、中尾さんがベランダへ。見に行くと、壁にシュラスカリア(シュラスコのかま)がついており、炭火をおこしていた。最近のマンションには、シュラスカリア付き物件が増えており、煙は集合煙突で排気される仕組み。中尾さんが焼いてくれた肉を手づかみで頂いた。温かい大家族のだんらんと熱々の肉。最高の「お・も・て・な・し」だった。