プロ野球番記者コラム

【ソフトバンク】今季初登板の木村光「その時の気持ち考えたら」高校、大学進学時に辞める決断も…

24年11月29日、契約更改を終え会見に臨む木村光
24年11月29日、契約更改を終え会見に臨む木村光

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

人生は山あり谷あり…。プロ2年目で今季1軍初登板を飾ったソフトバンク木村光投手(24)は、自らの現状をこう表現する。

「正直、その時の気持ちを考えたら、ここ(プロの世界)にいるのはおかしいぐらいの感じです」

過去に2度、野球を辞めようと思った。高校は県内の強豪私学、奈良大付でプレー。野球推薦ではなく一般受験での入学だったため、当初は「野球を続けるつもりはなかったです」。それでも家族との話し合いを重ねて入部を決断した。

当時の部員数は3学年で合わせて100人を超える大所帯だった。推薦組と呼ばれる選手らもおり、一般入部生がレギュラーをつかむことは難しい状況でもあった。

「野球に対しての執着はないんですけど、やるからには自分は負けたくないと思うタイプなので」

人一倍、負けず嫌い。2年秋にレギュラーの座をつかみ、3年春は外野手から投手に転向。背番号1をもらい、最後の3年夏は同校初の甲子園出場へ導いた。「周りに負けたくない、それだけです。でも、最初の方は何回も『辞めたい』とは思いましたけどね」。

高校3年間を全力で野球に取り組んだ結果、大学は「疲れたので。野球はやり切った気持ちにもなって」。再び野球を辞めることも考えた。ただ、田中一訓監督から「お前は野球を続けた方がいい」と背中を押され、佛教大へ進学。22年育成3位でホークスへ入団し、23年に支配下登録を勝ち取った。今季は1軍初登板を含む5試合に登板。プロ初ホールドもマークし、防御率1・50と来季につながる結果を残した。

「野球を続けてなかったら今の自分はいないので。いろんな人に感謝しないといけないですね」

来季へ先発か中継ぎか起用法は未定だが「先発ならローテ入り、中継ぎなら50試合」を目標に掲げ、飛躍3年目へ向かう。【ソフトバンク担当=佐藤究】

24年9月3日、プロ初登板のソフトバンク木村光
24年9月3日、プロ初登板のソフトバンク木村光

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